「分ける」(本誌タイトルでは「析ける」)のは、分析の基本中の基本。

「分析化学はすべての科学の基礎学問だ」とおっしゃるくらい眞野先生はこの「分ける」ことに徹底的にこだわり、誇りを持っておられます。『クロマトおたく』を自認する先生からは「分けてきちんとはかる」「分けるのが楽しい」「モノそのものにこだわるより分離することにこだわる」「分析化学はすべての学問のベース」という言葉が繰り返され、分析に対する先生の熱い思いが感じられました。そのこだわりから、ご自分で分析機器を改良されることもまったく厭わない先生。研究室には、スパナやドライバーがたくさん見受けられました。

前職の製薬会社の時代から当社とお付き合いのある眞野先生には、分析機器を使用する側の立場として当社の技術者向けに講演会をしていただいたこともあります。先生からは「臨床現場で使用される分析装置に求められるのは、間違いなくいつも同じ結果を出してくれる堅牢性と信頼性」という、当社がメーカーとして目指すべき方向性を示していただきました。

現在当社と眞野先生は、治療薬物モニタリング(TDM:Therapeutic Drug Monitoring)の分野で共同研究を進めています。