G-SHOCKは「落としたら壊れる」というこれまでの腕時計の常識を覆しました。

どんな衝撃にも耐える堅牢性を目指し、落下強度10m・防水性能10m・電池寿命10年という「トリプル10」を開発目標として掲げ、初代モデルからこれを実現しています。このタフネスさは、G-SHOCKの代名詞ともなっていますが、これまでの時計になかった機能性やデザイン性も大きな魅力となっています。

G-SHOCKは年に100本以上の新モデルがリリースされているとのこと。顧客からはもちろん、社内からも常に「G-SHOCKならではの新規性」「G-SHOCKにしかできない何か」を求められているそうで、新しいアイデアがないと新モデルは作らないという徹底ぶりです。

「G-SHOCKの進化のスピードはすごい。だからこそ開発の手をゆるめるとたちまち埋没してしまう」という商品企画担当者。プレッシャーは相当なものに違いありませんが、一方で、競合する時計メーカーが「時計とはこうあるべきである」という『時計のマナー』に拘束されているのに対し、G-SHOCKは既成概念や常識にとらわれることなく、やりたいことをどんどん取り込める分、やりがいの大きな仕事だと感じました。「G-SHOCKは時計売り場に置いてあるだけで、他の時計とは違う」という言葉が、とても印象的でした。

ところで、CASIOの経営モットーは『創造 貢献』。それまでにない斬新な働きを持った製品を提供することで、社会に貢献するという意味だそうです。島津製作所は『科学技術で社会に貢献する』を社是として掲げ、新しい技術は社会の役に立って初めて価値があるという思いを抱いています。2社がつくるものは、まったく違いますが、根底に流れる理念は、とても似通っていると感じました。