2026.06.30

太平工業が「iFデザインアワード」を初受賞
サステナブルな木造トレーニング施設

3月に発表された「iFデザインアワード2026」において、島津グループはプロダクトデザイン、建築、インテリア建築の3部門で受賞しました。そのうち、木造トレーニング施設「信和館(しんわかん)」の設計・施工を担当した太平工業は、今回が同賞初受賞となりました。
 

デザイン性と持続可能性の両立

iFデザインアワードは、70年以上の歴史を持ち「世界三大デザイン賞」の一つでもある国際的な賞です。ドイツのハノーファーを本拠地とする「iF International Forum Design」が毎年優れたデザインを選出しています。今年は、専門家129人が世界68カ国・地域から集まった1万件を超えるデザインを、「アイデア」「造形美」「機能性」「独自性」「サステナビリティ」の5つの基準で審査しました。

木造のトレーニング施設「信和館」(京都市南区)

木造のトレーニング施設「信和館」(京都市南区)

受賞建物の信和館は、ワコール女子陸上競技部(スパークエンジェルス)のための女性アスリート専用トレーニング施設です。既存施設の老朽化に伴い建て替えられ、今回の賞では特にサステナビリティと造形美の観点で評価されました。 

選手が心身を整える空間

太平工業は1947年に設立された島津グループの総合建設会社です。当社グループにおいては、近年では研究開発棟「ヘルスケアR&Dセンター」(2019年開所)、基盤技術研究所新研究棟「Shimadzuみらい共創ラボ」(2022年開所)の施工にも携わっています。およそ80年にわたる建設経験を持つ同社ですが、iFデザインアワードへの応募は今回が初めての挑戦となりました。

信和館のプロジェクトは、「デザイン偏重とならず、選手育成に役立つ建設計画」をコンセプトとした、提案内容が総合的に評価されるプロポーザル方式の入札案件でした。太平工業は株式会社一級建築士事務所DNAおよび京都府木材協同組合の協力のもと、環境負荷の低減や選手の育成環境に配慮した木造建築を提案しました。

提案金額は他社の鉄骨構造案に比べて高額でしたが、プロジェクトの総合監理を担当した株式会社ユウ・コーポレーションや施主である株式会社ワコールホールディングスにより今回の建物における木造建築が持つ優位性や提案のコンセプトを高く評価され、受注につながりました。

梁と柱がワコールのWの形になっている。梁とケーブルを束(つか)で結合する張弦梁(ちょうげんばり)構造で、10メートルを超える無柱空間を実現

梁と柱がワコールのWの形になっている。梁とケーブルを束(つか)で結合する張弦梁(ちょうげんばり)構造で、10メートルを超える無柱空間を実現 

信和館の特徴であるトレーニング室には、株式会社ワコールホールディングスのロゴマークをモチーフとしたW型の柱と梁を象徴的に配置しました。また、張弦梁構造を採用することで、柱のない広々とした空間を実現し、トレーニング器具の配置やトレーニングメニューの変化にも柔軟に対応できる施設にしています。

また、今回のプロジェクトは「選手が心身のコンディションを整える空間」の実現がポイントでした。木材が持つ視覚的なやさしさや調湿性能も木造建築を採用した理由の一つです。構造部材にはすべて京都府産木材を使用し、地域経済の活性化に貢献しています。また、設計自由度の高い在来工法と一般流通材を組み合わせることで、木造建築技術の継承と発展にも寄与する取り組みにもなりました。 

担当者のコメント

信和館のプロジェクトを担当した太平工業の担当者は、今回の受賞についてそれぞれ次のように話しています。

太平工業の山田悟樹(左)と森戸元貴(右)

太平工業の山田悟樹(左)と森戸元貴(右) 

山田悟樹(建設本部建築部 係長) 

今回の受賞を大変光栄に思います。信和館のプロジェクトは、株式会社ユウ・コーポレーションや株式会社一級建築士事務所DNAの皆様をはじめとする、社内外の関係者皆様のご理解とご支援があって初めて実現できたものであり、それが評価された結果、受賞につながったと考えています。皆様に深く感謝申し上げます。

信和館のデザインには、これまでの当社の経験と知見を注ぎました。その点でiFデザインアワード2026の受賞は、私たちのこれまでの取り組みも一緒に評価していただいたような感覚があります。今後もお客様に寄り添い、より価値のある建物づくりに取り組んでまいります。

森戸元貴(建設本部営業部)

権威ある賞を受賞でき、大変意義深く思います。受賞の知らせを聞いた時は、まず驚きがあり、その後じわじわと嬉しさがこみ上げてきました。関係者の皆様の継続的な取り組みと協力があってのことだと思います。

ベルリンでの授賞式では世界各地の受賞作品に触れたり、デザインの専門家との交流の機会も得ることができ有意義な時間となりました。今回のプロジェクトや、その後のデザイン賞応募・受賞を通して得た学びを、今後の活動につなげていきたいと思います。

iFデザインアワード2026授賞式(ドイツ・ベルリン)

iFデザインアワード2026授賞式(ドイツ・ベルリン)

島津グループの受賞者で記念撮影(右端が太平工業の山田、左から2番目が森戸)

島津グループの受賞者で記念撮影(右端が太平工業の山田、左から2番目が森戸)

 

「iFデザインアワード2026」を同時受賞した島津グループの製品とラボ

島津製作所の高速度ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」がプロダクトデザイン部門、島津企業管理(中国)有限公司の共同研究ラボ「環境・健康イノベーションセンター」(中国科学院大学 杭州高等研究院環境学院と共同設立)がインテリア建築部門で受賞しました。
高速度ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」。撮影準備から解析までのワークフローを最適化した操作性や、塗装を廃した設計による環境負荷低減が評価された
高速度ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」。撮影準備から解析までのワークフローを最適化した操作性や、塗装を廃した設計による環境負荷低減が評価された


高速度ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」。撮影準備から解析までのワークフローを最適化した操作性や、塗装を廃した設計による環境負荷低減が評価された

中国・杭州の「環境・健康イノベーションセンター」。ガラスによるラボ内の可視化や柔軟なレイアウトを取り入れ、思想と品質を両立した空間づくりをしている点が評価され
中国・杭州の「環境・健康イノベーションセンター」。ガラスによるラボ内の可視化や柔軟なレイアウトを取り入れ、思想と品質を両立した空間づくりをしている点が評価され


中国・杭州の「環境・健康イノベーションセンター」。ガラスによるラボ内の可視化や柔軟なレイアウトを取り入れ、思想と品質を両立した空間づくりをしている点が評価された

 

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