2020.09.21

9月21日は「世界アルツハイマーデー」
アルツハイマー病変の検出に関する島津の技術

世界アルツハイマーデーのイメージ

毎年9月21日は、認知症への理解を深める「世界アルツハイマーデー」です。1994年の同日にスコットランドのエディンバラで開催された「第10回国際アルツハイマー病協会国際会議」初日を機に、国際アルツハイマー病協会(ADI)が世界保健機関(WHO)と共同で制定しました。また、9月は「世界アルツハイマー月間」とされています。

当社グループは、アルツハイマー病変の検出に関する研究を推進しています。その取り組みの一部をご紹介します。

アルツハイマー病変の検出に関する技術

当社は国立研究開発法人国立長寿医療研究センターと共同で、わずかな血液からアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)を検出する手法を開発し、2018年に対外発表しました。2002年にノーベル化学賞を受賞した当社エグゼクティブ・リサーチ フェローの田中耕一が共同研究に加わっており、同賞の受賞理由となった「MALDI」(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)技術が検出を可能にしています。

治療薬や予防法を開発する研究機関に貢献するため、グループ会社の島津テクノリサーチは、2018年から本技術を活用した受託分析事業を手がけています。

今年2020年には、このアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法について、フランスのモンペリエ大学付属病院と共同研究契約を締結しました。

マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計「AXIMA Assuarance」

マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計「AXIMA Assuarance」を研究に使用

また、6月には国立長寿医療研究センターを中心とした産学連携の多施設共同研究「血液バイオマーカーによる認知症の統合的層別化システムの開発」(略称:BATONプロジェクト)に参画しました。認知症の診断や発症リスクの予測などを血液検査で可能にするシステムの実用化に向けて研究を進めています。

BATONプロジェクト参画機関

 

当社は、分析計測技術と医用画像診断技術を軸としたヘルスケア事業を推進し、健康長寿社会への貢献に努めていきます。

※ 本検出法は、アルツハイマー型認知症の治療薬や予防法の開発に必要な早期のアミロイド陽性者のスクリーニングに有用であり、創薬の進展や、将来的には治療方針決定のための疾患の鑑別、高齢者検診への貢献が期待されます。アミロイド陽性者のスクリーニングとは、血中アミロイドβの相対値と、PETや脳脊髄液検出法で捉えた脳内アミロイドβ蓄積状態との間に相関関係があることに基づいた血液バイオマーカーを利用した評価手段であり、アルツハイマー病や他の認知症の診断目的には使用できません。

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