大気や水質などの環境負荷低減や再生可能エネルギーの普及促進に貢献:環境/エネルギー

環境/エネルギー:成長分野投資

社会課題

増え続ける世界の人口は2017年現在76億人に達し、2050年には90億人を超えると予測されており、さまざまな分野に影響があると指摘されています。深刻な問題の一つに環境問題があります。気候変動をはじめ、廃棄物、大気や水質、土壌汚染などの課題があり、企業の生産活動や製品に対する環境規制も強化されています。環境問題は、各国特有の地理的条件、経済状況などによる多様性を有しており、特にアジア圏においては、都市開発や経済活動の発展による環境汚染が顕著な地域や、一定の経済成長を経て新たな課題が生じている地域があります。

社会課題 

SDGsへの貢献

地球環境への負荷低減が求められる中、企業の生産活動や製品に対する環境規制が強化されています。
また、化石燃料に代わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの普及が課題となっています。私たちは、地球の環境保全のためのモニタリングや、再生可能エネルギーの開発支援などを通じてSDGs目標に寄与する製品開発を推し進めていきます。

SDGsへの貢献

島津製作所の取り組み

loT/M2Mを搭載したオンライン計で環境保全からSDGsに貢献

水質総量規制での排水中の窒素・リンの濃度管理にオンライン全窒素・全リン計(TNP計)が活躍しています。昨今は事前に高い濃度の排水を放流しないようデータの常時監視が必要となるため、装置の状況を瞬時に把握し、故障を未然に防止できるM2Mを搭載したTNP計システムの需要が増えています。このシステムでは、クラウド上で測定データや装置のセンシング情報を常に監視することができるため、お客様は装置を現場に行きデータを確認しなくても居室で情報を得ることができます。
また、サービス会社も装置を実際にメンテナンスする前に、状況を把握することで常にお客様に装置を安心してお使いいただけます。
今後も、排ガス測定器や水質測定計などの環境規制対応の各種オンライン製品に、loT/M2M搭載を進め、さらにAIを駆使したデータ解析へと拡張することで、大気、水質、土壌での環境規制を通じて、SDGs目標に寄与する製品開発を推し進めていきます。また、お客様の作業の省力化、ひいては働き方改革への貢献も目指していきます。

■TNP計のシステムフロー

TNP計のシステムフロー

再生可能エネルギーへの取り組み

再生可能エネルギー分野では、これまで総合分析・産業機械メーカーとして培った技術や装置を生かし、お客様先でのリチウムイオン電池や燃料電池、太陽光発電、バイオマス、光触媒・人工光合成などの開発、製造、品質保証の過程で役立っています。
例えば、木質バイオマス発電においては、燃料である木材の燃焼前の水分量の管理や、焼却灰の有害物質成分や量の測定などが行われています。また、太陽光発電についても開発や品質保証をする上での分析データの提供や素子を作る上で欠かせない高真空環境を構築する際には、ターボ分子ポンプなどが貢献しています。
今後、さらなる市場成長と技術発展の必要な分野であることから、これまで以上に最先端の企業とコンタクトを取りながら、私たちの技術や製品、サービスの活用を通じ、イノベーションや持続可能な社会の実現に向けて取り組みます。
 

ICP質量分析計(上)や蛍光X線分析装置(下)

木質バイオマス発電での有害物質検出に役立つICP質量分析計(上)や蛍光X線分析装置(下)