LiDARカバー素材における
光学特性の評価技術
(透過率/反射率の測定)
自動運転の実現

自動運転が今後さらに進化していくために必要な技術のひとつに、対象物にレーザー光を照射し、その反射光を光センサーで捉えて距離などを測定するリモートセンシング技術LiDAR(Light Detection And Ranging)があります。対象物の正確な距離や形状、位置関係を三次元で把握できる“自動運転の目”とも言える非常に重要な役目を果たす技術です。

自動車のデザインと切り離せない
LiDARカバーが持つ課題

現在このLiDARは、自動車の外装デザインの中に組み込まれた状態での搭載が想定されており、LiDARのレーザー照射部を保護するカバーも外装に合わせて一体型でデザインされるケースが多くなると考えられています。
しかし、LiDARのレーザー光は、このカバーによって透過する光量や方向が変わってしまうことがあり、そうなるとLiDARが自動運転の目として正しく機能しなくなっています。そのため、LiDARのカバーとなるパーツの光学特性を測定する必要があります。

このカバーの光学特性を調べるために用いられるのが、分光光度計と呼ばれる装置です。
分光光度計を使うことで、ある一定の波長で光を当てた際の、光の透過率(光がどの程度透過するか)や反射率(光をどの程度反射するか)を測定することができます。

島津製作所が提案する
LiDARカバーの光学特性評価システム

通常、分光光度計で光の透過などを測る場合、測定したいサンプルに対して垂直に光を当てることでその透過率を得ることができますが、LiDARは車の進行方向などを広範囲にセンシングする必要があるため、広い視野角が必要とされます。そこで、LiDARから照射されるレーザー光とカバーの角度の変化によって透過する光量などに変動がないか、あらゆる角度から透過率と反射率を測定する必要があります。
分光光度計と可変角測定装置で構成された島津製作所の光学特性評価システムでは、サンプルの角度と検出器の角度を自在に設定し、さまざまな視野角を想定した測定・検証が可能です。

  • UV-VIS-NIR分光光度計 SolidSpec-3700i

  • SolidSpec-3700シリーズ用 可変角測定装置

  • 透過率測定

  • 反射率測定

  • 図 905nmバンドパスフィルタの透過率測定の結果
    (a) s偏光(偏光子0°)、(b) p偏光(偏光90°)

他にはない
大きな試料室を備えた分光光度計

LiDARカバーとなる材料は通常の分光光度計には収まらないサイズであることが多く、サンプルを切断して測定しなければならないケースもあります。島津製作所の分光光度計SolidSpec-3700iは、光が水平方向のみを走る従来の光学系とは異なる、垂直方向にも光が走る3次元光学系(特許US6583872)を採用し、最大700×560mm*の大型のサンプルもそのまま測定できる試料室を備えています。これにより、LiDARカバーとなる車の材料なども切断することなく測定することが可能です。

* 可変確認測定装置使用時は最大100x100㎜程度、より大きなサンプル測定時には特注対応可能

  • 三次元光学系

3つの検出器で広帯域を実現した可変角測定装置で、LiDARの進化にも対応

また、SolidSpec-3700iに対応した可変角測定装置には、検出波長が異なる3つの検出器(PMT検出器、InGaAs検出器、PbS検出器)が取り付けられており、測定したい波長域に対して最も感度の良い検出器を選択することができます。

  • 積分球に取り付けられた3つの検出器

例えば、現在LiDARで主に使われる905nmの波長は、PMT検出器で捉えることで一番感度が良くなります。また、太陽光の影響を受けにくく、かつ、ヒトの目にも安全という理由で次世代のLiDARへの使用が注目されている1550nmの波長はInGaAs検出器が適しています。さらに今後LiDARレーザーの長波長化が進むとも言われていますが、その場合でも、長波長で感度が良いPbS検出器で対応できるというように、島津製作所の光学評価システムならLiDARが長波長へと進化しても、最適な検出器で低ノイズな測定が可能です。

  • 分光感度特性のイメージ

品質管理から研究開発の現場まで
幅広く貢献

測定結果をソフトウェア上で自動合否判定できるのもこのシステムの特長です。仮に980nmで90%以上の透過率を持つことを条件として設定しておけば、評価値が90%に届かないものは自動でFAIL(不合格)の判定を表示してくれます。これによって、合否を素早く判断する必要がある製造時の製品検査を容易に行うことが出来ます。
また、可変角測定装置を用いることによってさまざまな条件ごとの光学特性の測定が求められる研究開発の現場でもご利用いただけます。

※当社の光学特性評価システムでは、主に光の透過率と反射率、および屈折の方向などを測定できます。LiDAR用カバーの開発・品質管理において、より精密な屈折率の測定をお求めの場合は、精密屈折計もラインアップしております。

関連する島津製作所の製品ラインアップ

【UV-2600i】紫外可視分光光度計

【UV-3600i Plus】紫外可視近⾚外分光光度計

【SolidSpec-3700i】紫外可視近⾚外分光光度計

【大形試料室/可変角測定装置】