環境負荷軽減へ向けた油圧ギヤポンプの生分解性作動油への対応

その他のソリューション

従来、油圧機器に用いられる作動油には、高い防錆性能や摺動部の耐摩耗性を保持し、ゴム材などへも影響が少ない鉱物油が一般的に使われています。しかし、鉱物油は自然界では分解されにくく、水や土壌などの地球環境に影響を与えることから、近年、特にヨーロッパなどを中心に環境に優しい生分解性作動油の使用が増加しています。

環境に優しい生分解性作動油

生分解性作動油は、万が一、自然界へ流れ出た場合においても、微生物によって二酸化炭素と水に分解され、環境への影響を小さく抑えることができます。一方で、鉱物油に比べ、摺動部の耐摩耗性や、ゴム材への影響が課題としてあり、油圧機器側でも生分解性作動油に対応した製品が必要となります。

【 図1 鉱物系作動油と生分解性作動油の特徴比較 】

生分解性作動油対応へ向けた島津製作所独自の取り組み

日本国内では油圧機器の生分解性作動油への本格的な対応はこれからですが、島津製作所では先駆けてその取り組みを進めております。
使用している摺動部品やゴム材の最適化など、生分解性作動油にも対応できるよう設計検討を進め、生分解性作動油との相性を確認する浸漬試験や、摺動部材の耐摩耗性を確認する稼働試験など、当社独自の耐久試験を実施し、生分解性作動油への耐久性の確認を進めています。すでに一部製品シリーズでは対応が済んでおり、今後も対応製品の拡張に向けて開発を進めていく予定です。

【 図2 耐久試験のイメージ 】

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