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番外編:教えてBreakers!!
プロ選手に聞く気持ちの整え方(前編)

筆者の松本安莉

matsumoto ari

皆さんは普段生活する中で、気持ちをどのように整えていますか?
「整える」といっても状況や場面によって整え方が人それぞれ異なると思います。
今回は、世界中を飛び回っているBreakersのプロ選手たちがテニスを通じて感じたことや経験したことを基に、スポーツ面だけでなく普段の生活面にも繋げられる「気持ちの整え方」についてご紹介していきたいと思います。

インタビューした選手

  • 桑田寛子

    桑田寛子

  • 大前綾希子

    大前綾希子

  • 加治遥

    加治遥

  • 本玉真唯

    本玉真唯

Q1.試合日2~3日前からコートに入るまでどのように気持ちを整えていますか?

桑田:試合の前になると、ゲーム形式のような試合に近い状態の練習が多くなるから、練習を行っていくうちに自然と試合モードに入っていく。気持ちを上げようというよりは、自然に上がっていく。試合に入る直前は複雑なことを考えず、今までやってきたことと、これからやるべきことを確認して、シンプルに考えるようにしている

大前:気持ちが高ぶりすぎても疲れてしまうから、いつも通りに生活している。生活リズムは整えていくけど、気持ちの面で力みすぎることはない。試合前に時間があるときは音楽を聴いたり、コーチと話したりして集中力を高めている。試合をイメージして、雑念になるようなことはあまり考えない

加治:2~3日前は試合が近づいてくるので緊張感は高まっていくけど、対戦相手もわかっていない状況なので、気持ちの力みは無く、その時点の不安要素を無くすことを意識している。自分が良いプレーをしているイメージを常に頭の中に持つ。試合直前は試合でやるべきことを頭の中で再確認し、自分の世界に入れるように集中力を高める

本玉:2~3日前から自然にスイッチが入る。私は不安になることが多いから、普段からノートにやるべき事を書いている。試合の前日も、今の自分の状態と、「✕✕になってしまったら○○をする」といったように、上手くプレーできなくなった時の改善策をノートに書き出している。なるべくストレスを溜めないように過ごし、試合の直前は、対戦相手の特徴や、どのように試合を進めていくかをコーチと話し合ったり、考えたりして、なるべくリラックスした状態で試合に臨むように意識している。

筆者(松本)
選手の回答を聞いていると、試合日が近づいているからといって、改めて気持ちを入れ直すことや、特別なことをしている選手はいませんでした。選手たちは気持ちの面よりは、食事、睡眠、休息といった基本的な生活リズムを整えているようです。
試合前は独特な緊張感があり、興奮気味になったり不安な気持ちになりがちですが、選手の頭の中は至ってシンプルであり、複雑なことは考えていません。自分がするべきことを再確認し、リラックスした状態で試合に臨むことを意識していました。
何か大切なことを行う時や自分の力を発揮したい時に万全な状態で臨むために、自分がやるべきことをしっかりと考え、整理しておくことが大切ですね。

シンプルな考え方で試合に挑む桑田選手
シンプルな考え方で試合に挑む桑田選手

Q2.試合中、スコアによってどのようなことを考えていますか?

桑田:どんな状況でも色々なことを考えてしまうけど、自分がやりたいプレーを状況に関係なくできるよう、無駄なことはなるべく考えないようにしている。それは冷静でないとできないと思うから、「ポイントを取りたい!」と力みすぎないようにしている。

大前:試合全体では自分と相手の分析をしている。
【負けているとき】
「なぜポイントが取れていないのか」を考え、その原因と対処法を自分なりに見つけ出す。ポイント間に頭をフル回転させて考えている。
【リードしているとき】
「やっていることは正しい」ということ。油断せずに気を引き締めて試合を進めていく。
【スコアが並んでいるとき】
がむしゃらに集中する。良い意味で意外と考えていることはあまりない。目の前の1ポイントを集中して取りにいく。

加治:先を見すぎないようにしている。自分の調子や相手の状況、相手が何を嫌がっているか、何が有効であるかを考えている。
【負けているとき】
何かを変えなければいけない」と考え、その策を検討する。
【リードしているとき】
自分のプレーは変えず、掴んだチャンスを逃さないように今のリードをどうやって広げていくか考える。相手の変化に対応できるように、「何かを変えてくるだろう」という意識は常に持っておく
【スコアが並んでいるとき】
大前選手と同様

本玉:負けているときは、自分がどの点で相手より勝っているかを考えている。私の場合は足に自信があるので、「コートカバーリングでは絶対に負けない!」と思うことで、自信に繋げている。「どうしよう、負けるかも」とは考えずに、「自分の勝っているもので戦おう」という考え方ができるようになってからは、逆転勝利が増えたり、試合中に急にプレーが崩れたりすることが少なくなった。

筆者(松本)
選手たちは試合中、どんな場面でも冷静に状況を判断し、スコアによってどのようなプレーをしたら良いか考えています。状況の変化に応じて選手自身の気持ちも変化しますが、焦らずに黙々と自分のやるべきことに集中していました。
普段、生活をしている中でもその場の状況に応じて考えたを変えることが大事です。そのためには、状況自体を冷静に判断する必要があるように思います。

落ち着いてプレーする本玉選手
落ち着いてプレーする本玉選手

Q3.負けたときは気持ちをどのように整えていますか?

桑田:負けるからには原因や課題があるので、コーチと自分の考えを話し合う。切り替えはできるタイプなので、練習しようという気持ちになる。

大前:負けた時は、まず敗因を思い返して、ターニングポイントとなったプレーの反省をする。自分の良かったプレーも思い返し、次の試合でも使えるパターンとしてポジティブに捉える。全日本選手権や日本リーグといったビッグタイトルがかかっている大会で負けてしまうと落ち込んでしまうけれど、普段のツアーでは年間約30大会に出場しているので、負けても「次行かなきゃ!」と、気持ちを切り替えることができる。

加治:負けた時は試合の振り返りをして、良かった点、悪かった点の整理をする。次の試合で同じ負け方を繰り返さないように反省する。負けたその日は落ち込んでも、翌日からは次に向けて練習をする。日々試合が続くから、長く落ち込んでいる暇はない。

本玉:良かった点と悪かった点をコーチと話し合って、次に向けてすぐ練習する。負けた日は落ち込んでも、次の日から悪かった点を練習して次の試合で改善することで、気持ちを切り替えている。

筆者(松本)
負けた時は悪かった点だけに目がいってしまいがちですが、良かった点も振り返りながら試合の反省をしているそうです。
悪かった点を練習して改善することによって、気持ちの切り替えをしている選手が多いことがわかります。
日常生活の中でも、思うようにいかないことがたくさんあります。そのような時はスポーツと同じく、きちんと反省をして同じミスをしないように目の前の課題を明確にして、その課題に集中して取り組むことが大切だと思います。

気持ちの切り替えができる大前選手
気持ちの切り替えができる大前選手

Q4.気持ちを整えるために行っているリフレッシュの方法を教えてください

桑田:オンコート、オフコートのメリハリをつけている。休む時は何か他のことをしたり、ぼーっとしたり、テニスのことは頭から離す。

大前:家のあらゆる場所を掃除する。田舎温泉を求めて旅行する。

加治:テニスと関係のない友達と会う。以前は一日中寝るだけという過ごし方をしていたが、人と会うことで楽しく過ごしている。

本玉:カフェ巡りやお菓子作りをしている。お菓子作りは無駄なことを何も考えずに没頭できるので、よくやっている。

筆者(松本)
選手たちにとっては、体だけでなく心もリフレッシュするためにテニスのことは頭から離し、オンコートとオフコートのメリハリをつけることが大切です。趣味や自分の好きなことを楽しみ、「リフレッシュできる時間」を過ごしています。
上手くいかない時こそ、リフレッシュすると頭と心の中がスッキリして、より前向きに取り組むことができると思います。

人と会うことで楽しく過ごしているという加治選手
人と会うことで楽しく過ごしているという加治選手