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コラム

2020.10.5

IDEA

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番外編:教えてBreakers!! プロ選手に聞く目標の立て方(前編)
目標設定の重要性や目標の設定方法

押野 紗穂

「目標設定」や「目標の立て方」について、SHIMADZU Breakersに所属するプロ選手にインタビューしました。1年を通して大会に出場し続ける選手たちはどのように目標を設定し、ステップアップを目指しているのでしょうか。皆さんがゴールに向かうためのヒントになれば幸いです。

ここで紹介するトレーニング方法や器具などによる効果は選手個人の感想です。
選手たちは日頃からトレーニングを積んでいます。
お試しになる場合は、自分の身体の具合に合わせて緩やかに行うことをおすすめします。

Q1. なぜ目標設定が必要だと思いますか?

桑田:モチベーションの維持や、自分が今やるべきことは何なのかを整理するために絶対に必要なことだと思う。目標の立て方は人それぞれ違うけど、どこをゴールにしているのか逆算することで、やるべきことに取り組むことができると思う。

バックハンドを打つ桑田寛子

加治:何に向けて練習、トレーニングをするべきか明確にしておかないと、何のためにやっているのか目的が分からなくなる。そういった部分をはっきりさせるためにも、途中に目標を作っていった方が頑張れる。やることや目的を明確にできるので目標設定は重要だと思う。

本玉:私にとって目標は、毎日のきつい練習に向かう原動力。高い目標でも身近な目標でもなるべくそこに近づけるように努力している。モチベーションを向上させるためにも必要なことだと思う。

筆者(押野)

練習に向かう原動力、やるべきことや目的を明確にする手段として、それぞれが目標設定の必要性を感じているようです。目的やゴールを描き、そこへ到達するために目標を設定することはスポーツに限らず重要だと思います。
選手からはモチベーションに関連した回答が多く出ましたが、目標設定とモチベーションとの関係についてはどのように考えているのでしょうか。

Q2. 目標設定とモチベーションには関係があると思いますか?ある場合はなぜそう思いますか?

桑田:あると思う。目標に対して自分が今何をするべきか、結果に対して何が足りないかなど、全部逆算して考えている。そう考えること自体がモチベーションにもつながる。

加治:私もあると思っていて、目標があるから頑張ろうと思えるようになる。目標が無ければ試合に出る意味もない。目標があるから頑張れるというのは選手みんなそうだと思う

フォアハンドを打つ加治遥

本玉:私もあると思う。目標が無いと私は練習に身が入らない。目標に向かって頑張ることがモチベーションとなり、自分の体を動かす原動力になる。目標が無いと何を目的にしてやっているのか分からなくなってしまう。

筆者(押野)

目標設定がモチベーションの維持や向上につながっているようです。私たちアスリートにとってモチベーションは日々の練習での集中力を高め、実力を発揮するために非常に重要です。モチベーションを保つのが難しい時は、目的を再確認し、それに向けた段階的な目標を立て直してみるのが良いかもしれませんね。
それでは、具体的に何を意識して目標を決めているのか聞いてみましょう。

Q3. 目標を設定する際は何を意識していますか?

桑田:私は具体的な数字などを目標にするのがあまり好きではない。意識しすぎてしまうことがあるため、漠然とした大きな目標を置くことが多い。勝ちたくなってしまったり、とらわれすぎたりするところがあるので、大きなイメージでやっている。



- 例えば大きい目標とは?



例えば世界TOP100など、最終的に目指しているゴール。

加治:目標とする四大大会が一つの基準になる。今何位だからその大会までにあと何点必要かなどを意識している。だいたい3~4週間試合に出場するとしたら、その期間に何点取りたいかを決めたうえで大会に臨む。あとは数字だけではなく、技術的なことや、取り組んでいる課題をどれだけ試合でクリアできるかということも目標にしている

本玉:私は身近な目標、達成できそうな目標を立てて、その上にいつか達成したい大きな目標を立てている。ジュニアの時は出場する大会が決まっていたため、「この全国大会は優勝する」、「この国際大会で優勝」などと紙に書きだしていた。

筆者(押野)

加治選手は、目標とする大会に出場できるランキングの目安や必要なポイント数などを具体的に考え、明確にした状態で試合に臨んでいました。反対に桑田選手は漠然とした大きな目標を置くことが多いと言いますが、毎週のように試合がある選手にとって、結果に一喜一憂しすぎないためにも必要なことかもしれません。具体的か抽象的か、自分に合った目標設定のやり方がありますね。

Q4. 目標設定のスパンはどのように決めていますか?

桑田:具体的な期限は決めていないが、一つの大きな目標に対して最低限ここはクリアしたいというイメージがある。自分が目指しているところと今の自分を照らし合わせて、ちょっとずつ確認作業をして、その都度反省していこうという感じ。

加治:ランキングの目標として、年の初めにだいたい何位ぐらいになりたいかイメージしている。技術面に関しては1週間でこれを仕上げるとか、そういうのは無理だと考えている。やろうと思ってあっさりできるような器用なタイプではないため、時間をかけてやっていくしかない。繰り返し練習して、試合でできるかできないか。できていなかったらまた練習に戻っての繰り返しのため、技術面での期限は決めていない。やりたいことがコンスタントにできたら次に進む。

本玉:1年の期間で目標を一つ設定するようにしている。ランキングをどれくらい上げたいかなど。もし達成できなかったら、どうやればもっと上にいけるか、考え直すようにしている。

ガッツポーズをする本玉真唯

筆者(押野)

1年単位でランキングの目標を決めている選手が多いですね。テニスは大会のグレードによって獲得できるポイントが変わります。上位の大会は出場する選手のレベルが高くなりますが、勝つことで得られるポイントも増えます。年単位の目標を達成するためには大会の選び方にも戦略が必要です。その中でも技術的な課題に目を向け、レベルアップを図っているようです。大きなことを成し遂げるために日頃の積み重ねが必要なのは誰もが同じですね。

後編に続きます!!
プロ選手に聞く目標の立て方(後編)目標の評価と目標を再設定する時に意識していることはこちら