廃棄物低減、空気の脱臭にも応用できる

もちろん、アクアブラスターは従来の排水処理施設にそのまま付け替えて高効率化できる。さらに、たとえば塗装職場の塗装カス集積ピットなどこれまで水処理は難しいとされてきた循環水処理分野への応用も可能だ。^※1（導入事例参照）
これまでの塗装職場は、腐敗し、ヘドロ状となった塗装カスによる腐敗臭によって作業環境が悪く、その臭気が工場敷地外に流出すると近隣住民からの苦情に繋がる可能性が内在していた。また、こうした塗装カスの大部分は外部の廃棄物業者へ引き取らせて焼却処分されていたが、工場運営コストがかさむと同時に新たな環境負荷を生むことになり、企業にとって頭痛のタネになっていた。これらの問題解決につながるアクアブラスターの登場は、画期的な環境ソリューションとしてこうした企業に歓迎されるに違いない。
また、空気の脱臭にもアクアブラスターを利用した水処理技術は一役買うことができ、循環式スクラバー「バイオデオライザー」として商品化している。工場施設等の換気扇から排出された「汚れた空気」をバイオデオライザーに導き、好気性微生物の混入した「バイオ水」をシャワリングし、油等の臭気物質や埃を叩き落す事によってクリーニング、排出する。叩き落した水はアクアブラスターを装着したプールで捕そく。アクアブラスターによって浄化し、シャワー水として再利用する。工場施設のほか、飲食店の密集したビルなどでも活躍が期待される。

地球の健康に貢献する

島津システムソリューションズは、2003年4月に島津製作所の工業計測事業の営業譲渡を受け、工業計測機器は元より、「遠隔」、「監視制御」をキーワードとしたソリューションの提案として、システムインテグレーション（SI）事業を展開し、事業の柱として、公共事業、計装システム、コンポーネント（工業計測機器）、環境ソリューション、サービス事業を掲げ、お客様の環境に関する問題(計測・分析・処理)をトータルで解決している。
「島津の経営理念は『人と地球の健康への願いを実現する』です。その環境を専門に扱う子会社として『環境計測』から『環境ソリューション』へ踏み出した」と城社長は語る。
現在、上水道では水を浄化するために塩素が使われ、下水道ではさらにさまざまな薬品が使われている。キレイにするつもりが新たな負荷を人にも環境にも与えざるを得ないのがいまの限界だ。
「水の流れを見る（計測・制御する）から、いつか、こうした浄化の仕組みを根本的に変えてしまうようなシステムを作れたらというのが私の夢です。克服すべきところがたくさんありますが、そういうチャレンジが私は好きなのです」
城社長の目には、次の時代を見据える鋭い光がのぞいてみえた。