衛藤世次

好きで選んだ建築の仕事を
全うする

2000年入社
建築部 建築工事一課 専門課長
出身学科:建築学科
衛藤世次

迷わず建築施工の道へ

迷わず建築施工の道へ

建築に興味を持ちはじめたのは中学生の頃です。通り道で見つけた施工現場を覗いては、「こんなに大きな物を、どうやって作るのだろう?すごいなあ」といつも思っていました。
大学で建築の分野へ進むと、設計事務所・インテリアデザイン関係、構造事務所、不動産関係、建材メーカー関係など将来の選択肢はたくさんありましたが、やはり施工の道を選びました。
太平工業との縁は、私からの1本の電話がきっかけです。就職活動中で、会社のことをくわしく教えてほしいと伝えると、即、来てくださいと言われました。私一人に対して、総務部長、建築部長が出てきてくださり、親切丁寧な説明を受け、感動。社内の雰囲気もアットホームで、「ここに入社しよう」と決意しました。あれから23年。今やベテラン所長(現場監督)です。完成させた建物の前を家族と通れば、「これは私が手掛けた建物だ」などと、ちょっぴり誇らしげに話しています。

大きな物に、大きな責任

大きな物に、大きな責任

建築を完成させるために重要で、いちばん難しいと思う所長の仕事は、現場環境、求められる建物用途に見合った全体計画です。納期に間に合うよう全体のスケジュールを考え、安全第一作業で品質を確保し1カ月ごと、1週間ごと、その日その日と、綿密にかみ砕いていきます。各工程にかかる時間を見積もるのには、豊富な経験が必要です。
施工図面を作成、各種製作図のチェックするのも現場スタッフに経験させ最終には所長のチェックを行い、監理者から承認済みにて製作開始です。施工図は設計図面とは異なり、仕様が納まるように細かく記したもので、社内の現場スタッフや作業員たちに見せながら、作業内容を説明・指示します。施工図面は重要な位置付けと考えており、これがなければ工事は一つも進みません。

大きな物に、大きな責任

物件ごとに求められる施工技術や、決められた予算を考慮に入れて、協力業者に仕事の値段交渉・発注業務を行います。また、現場周辺の近隣に挨拶まわりをしたり、万一トラブルが起きた際には解決にあたったりもします。
大きな物を作る現場には、それだけ大きな責任がともなうもの。これを一身に背負っているのが所長だと思います。

困難を皆で乗り越える喜び

困難を皆で乗り越える喜び

私を困らせると同時に、やる気にさせてくれるのが難関な工事です。「やるしかない!根性!」。これで今まで頑張ってきました。「どんな仕事も、たいていしんどい」、そう思いますよ。
難関工事の代表格は、与えられた期間が非常に短いものです。現場の周りに電線が立ち並ぶ、繁華街など人通りが多い、狭小な敷地なども、クレーン車やトラックの出入りがしづらいだけでなく、安全の確保に細心の注意を払わねばならず、困難を極めます。病院・店舗・工場・学校・ホテルなど、そこで営業を続けられる状態を保ちつつ工事を進める場合は、工程管理も大変で、毎日ご迷惑がかからないよう気も遣います。
窮地に陥った時は、必死で策を考えるしかありません。私の代わりをお願いできる人はいませんが、協力してくれる人はいます。上司、現場スタッフ、協力業者、設計士、お施主様、近隣の方々などです。皆さんと力を合わせて困難を乗り越えたという達成感は、次へのエネルギーになります。

すべては恩返しのために

部下や後輩たちには、現場の人間関係の大切さ、共存共栄の精神を事あるごとに伝えています。作業員に理不尽に偉そうな言葉づかいなどしたら、すぐに注意。こうした基本的なことの積み重ねです。「所長の現場なら、仕事がしやすくて安心だ」と思ってもらえるよう努めています。
私が新人の頃も、上司や先輩から様々なことを教わり、お世話になりました。「ミスター太平」と呼ばれた凄腕の方々です。私の部下や後輩も、たくさん質問して、たくさんチャレンジしてほしい。せっかく自分で選んだ建築の道なので、存分に楽しみ、全うしてほしいと思います。
古くさいかもしれませんが、私が大切にしているのは「義理・人情」。お世話になった方々、お世話になっている方々への恩返しのために、これからも現場を確実におさめ、後進の育成にも尽力します。
近い将来、皆といっしょに20億円規模の大建築を完成させてみたいですね。