2014.8.6 “Mass++”を紹介する論文が発刊されました

 Mass++は、種々の質量分析装置から得られたデータを表示・解析することが可能なフリーのソフトウェアです。

 これまで本サイトでは、様々なフリーウェアの紹介・アップロードを行い、学会等でも数多くの発表を行ってきましたが、Mass++そのものを学術論文としてまとめて発表するのは初めて、しかもプロテオーム関連として世界的に著名な”Journal of Proteome Research”に 紹介論文が掲載されました。

 本論文では、Mass++の要点のみですが、機能・利点を網羅的に紹介しています。Abstractにも記述されているMass++の特徴を、改めて箇条書きにします。

  • – mzXML, mzML, netCDF の様な共通フォーマットの他、LCMSsolution, GCMSsolution (Shimadzu), Launchpad (Kratos), Xcalibur (Thermo Scientific), Analyst, AnalystQS (AB Sciex), MassLynx (Waters), MassHunter (Agilent) 等々、様々なベンダーが提供する生データフォーマットにも対応しています。
  • – スペクトル・クロマトグラム波形、ヒートマップ3D 表示等、様々な表示機能を持っています。
  • – LC/MS データだけでなく、糖鎖解析でもよく使われるMALDI データにも対応した解析機能を持っています。
  • – Mascot や X! Tandem の様なProteome同定エンジンの他、MassBankとの連携機能も持ち、ProteomicsとMetabolomicsの解析を統合的に行う事ができます。
  • – Softwareが”Plug-In”形式になっており、機能を追加したり削除したりする等のカスタマイズが行なえる他、開発者が新たな機能を追加する際には、Mass++ のSource Codeを編集する事無しに 新たなPlug-Inを開発する事で独自アルゴリズムの作成や 自動化処理を作成する事ができます。

Satoshi Tanaka1, Yuichiro Fujita1, Howell E. Parry1, Akiyasu C. Yoshizawa1, Kentaro Morimoto1, Masaki Murase1, Yoshihiro Yamada1, Jingwen Yao1, Shinichi Utsunomiya1, Shigeki Kajihara1, Mitsuru Fukuda2,3, Masayuki Ikawa2,3, Tsuyoshi Tabata2, Kentaro Takahashi2, Ken Aoshima2, Yoshito Nihei4, Takaaki Nishioka4, Yoshiya Oda2, Koichi Tanaka1
“Mass++: A visualization and analysis tool for mass spectrometry”
Journal of Proteome Research, Vol. 13, Issue 8, pp3846-3853

1 Koichi Tanaka Laboratory of Advanced Science and Technology, Shimadzu Corporation
2 Eisai Product Creation Systems, Eisai Co., Ltd.
3 iBioTech Corporation
4 Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology

 

発表資料(Journal of Proteome Research掲載論文概略紹介へのリンク)

Mass++特徴紹介サイト:
/aboutus/ms_r/soft.html

 

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