参考資料

 Soft Laser Desorption(SLD)の発見から30周年を記念して、2015.1.26 “MALDI Matrix List (Ver.2.6)”を発刊しました。その後、多くの方々から反響をいただき、様々なご意見を取り入れた結果、Ver.2.6 の16ページから計28ページになった Ver.2.8 を発刊することにしました。

MALDI Matrix List (Ver.2.8) で追加した主な項目は、

  • * 社内報告書にて掲載した 1985年2月 SLD発見直後のスペクトル
  • * 1万倍高感度化(液体Matrix)を含むFIRST-ms3dプロで開発 及び 島津グループが開発・応用に携わったMatrix(未発表dataも掲載)と、その他の開発との関連説明を更に増補
  • * 個別化合物に適したMatrixを選出する、新たな前処理方法や新規にMatrixをも生み出す、いずれの場合にも有用な情報を更に増補
    — 具体的なスペクトル、用いた装置写真等を追加し、200件を超える参考文献を紹介
  • * 代表的Matrix 7種類における 特に紫外領域吸光スペクトル比較
  • * より良いdata収集の一助として、Sample・Matrix乾固状態と 主にMALDI-TOFMS感度・分解能の関係 を紹介

 30年にもわたる研究・開発の経緯を1つの資料にまとめた事により、新たな発想をも生み出す可能性があります。他の”お役立ち参考資料”と共に、活用が期待されます。

 10月18日には、主にタンパク質を構成する20アミノ酸に関する情報を掲載しました。今回は、最近、疾患に関連することが次々に見つかっている糖鎖に関する有用な情報を掲載します。

  • Monosaccharide List for Mass Spectrometry(322KB)
    ヒトに重要な または 疾患に関連する主要な単糖20種類に対し、とりわけ質量分析を用いる場合に有用な化学式・構造情報・記号等を一覧表にしています。

 10月1日には、主にMALDI-MS研究者・技術者に便利な”MALDI-MS Technical Reports”(Rev.3.0)を掲載しました。今回は、生化学・分子生物学の研究者にも有用な情報を掲載します。

  • Amino Acid Table(150KB)
    タンパク質を構成する20アミノ酸に対し、構造情報と物理・化学的な特徴を一覧表にしています。
  • Mutation Mass Shifts(227KB)
    タンパク質を構成する20アミノ酸に対し、遺伝子情報にMutationが発生した場合の質量差を、Codon情報と対比させながら、単純な整数質量”nominal Mass”の場合(1/2)と 精密な”Monoisotopic Mass”の場合(2/2) に分けて、一覧表にしています。

 島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所では、本プロジェクトで主に用いる予定でもあるMALDI-MSへのご理解を深めていただくため、”MALDI-MS Technical Reports”を発行して参りました。とりわけ質量分析を用いる研究室等では、基礎を理解し応用をも生み出すための教本としても使われています。また日本質量分析学会では、4つの章に対し増補・一般論化が行われ、既に学会誌に掲載されています(参照:下記 参考論文)。

 本冊子に対し 改訂版(Rev. 3.0)を準備しましたが、できる限り多くの方々にお使いいただくため、今回、本Websiteでpdfファイルをダウンロード可能と致しました。

<MALDI-MS Technical Reports (Rev.3.0)>

表紙(358KB)

・No.01 なぜ Reflectron Modeでは 分解能が向上できるのか?(570KB)

(参考論文:なぜリフレクトロンモードやマルチターンによって質量分解能が向上されるのか J. Mass Spectrom. Soc. Jpn.,

・No.02 Pulsed Extraction(遅延引き出し)法とは?(382KB)

(参考論文:遅延引き出し法の基礎 J. Mass Spectrom. Soc. Jpn.,

・No.03 なぜ Reflectron Modeで MS/MSが可能なのか?(383KB)

(参考論文:なぜリフレクトロンモードでMS/MS様の測定が可能か J. Mass Spectrom. Soc. Jpn.,

・No.04 Neutral Detection Modeで 何がわかるのか?(266KB)

・No.05 MALDI-TOFMS用の検出器として 何が適切か?(321KB)

(参考論文:マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計用の検出器 J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., Vol.58 p111-116)

・No.06 Inorganic Matrix とは何か? どんな特徴があるのか?(437KB)

・No.07 MALDIとLI/LDの違いは何か?(298KB)

・No.08 島津が発明したMALDI Matrixは?(772KB)

・No.09 Quadrupole Ion Trapとは何か? どんな特徴があるのか?(621KB)

・No.10 TOF-MS用の測定回路として何が適切か?(848KB)

・裏表紙 質量分析”学”に関して(252KB)

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全ページ(5,247KB)