具体的な取り組み事例

乳がん検査や治療への貢献

女性にとって代表的ながんの1つである乳がん。その罹患率(がんと診断される率)は、他のがんと比べて近年著しく増加しており、罹患率の上昇に伴って死亡数も増加し続けています。早期発見・早期治療が重要である一方、従来の検査では、乳房を挟むことによる「痛み」が1つの課題となっていました。
当社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトでの成果をもとに、痛みを伴わない乳がん検査を実現する装置「Elmammo」を2014年に、さらにその新モデル 「Elmammo Avant Class」を2017年に開発・販売しました。
被験者は、従来のように乳房を挟んで圧迫する必要がなく、うつ伏せになって装置のくぼみ(検出器ホール)に乳房を入れるだけで検査が行えます。痛みも伴わず、女性に優しい診断装置です。また、全身用のPET/CT装置では発見できない5mm程度のがんを検出できる性能を保有しています。腫瘍が発見しづらいとされる乳腺密度の高い乳房の検査にも有効との報告がされており、乳がん診療での貢献が期待されます。
また、乳がん手術における転移診断をサポートする近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」を2016年に開発・発売しました。 本製品は、乳がんの転移有無を調べるためのセンチネルリンパ節を取り出し病理診断する際、蛍光薬剤によってセンチネルリンパ節を可視化することで、正確かつ迅速な手技を支援するシステムです。センチネルリンパ節にガンの転移がなければ、不必要に広範囲を切除せずに済むため、リンパ浮腫などの辛い後遺症の発生率を抑えることができます。
当社は今後も社会課題となっている乳がんの検査や治療への貢献に努めてまいります。

新生児における疾患発症や重症化予防への貢献

赤ちゃんの先天性代謝異常の早期発見と発症予防のため、新生児の足裏から微量の血液を採血して分析する新生児マススクリーニングは、日本では、自治体による医療費公費負担制度に基づいて全ての新生児を対象に実施されています。当社は、日本マススクリーニング学会の理事長で島根大学医学部小児科の山口清次特任教授との共同研究により、新生児マススクリーニングをより早く、簡単に分析するためのシステムの開発に取り組んできました。当社が開発した方法は、質量分析装置を用いる「タンデムマス法」と呼ばれているもので、1検体当たりの分析時間はわずか1~2分で、1台のタンデムマスで年間6万人を検査でき、しかも従来(ガスリー法)にくらべてより多くの病気を一度に検査できます。現在は、この検査方法を日本などの先進国だけでなく、先天性の病気の診断を受ける新生児が全体の1割未満にとどまる新興国にも広げるよう取り組んでいます。ひとりでも多くの子どもを障がいから守るため、本事業の拡大を進めていきます。

食の安全・安心への貢献

農産物の安全・安心や輸入食品のチェックなどの安全性確保、また食品のブランド化や高付加価値化・高機能化への関心が高まっており、「食の安全・安心」分野において分析計測技術への要求が拡大しています。当社は、2014年に全国有数の食料供給県でありトップレベルの検査体制をもつ宮崎県との間で、食の安全・安心と健康のための技術連携を開始し、2015年1月には宮崎県、大阪大学、神戸大学と共同開発したオンライン分析システム「NexeraUC」を発売しました。「NexeraUC」は、これまで2週間近くかかっていた残留農薬検査を約2時間で完了させる宮崎県独自の技術を生かして開発した製品です。50分で500成分の残留農薬の分析が可能で、多成分一斉分析や精度の高いスクリーニングを実現する世界最先端の分析装置として高い評価を得ています。
さらに2015年10月には、宮崎県などと「一般社団法人 食の安全分析センター」を設立し、農畜産物・加工食品の受託分析や食品の機能性成分分析の研究を進め、その成果を分析手法やアプリケーションとして活用できるよう、実用化を目指しています。「食の安全・安心」は人の健康につながる重要なテーマであり、当社は国内外の検査機関をはじめ、農業や食品産業など幅広い分野に向けて新たなソリューションの提供に取り組み、事業の拡大を進めます。

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