人財育成

人財育成

従業員のチャレンジ精神、卓越した専門性、イノベーション創造力、パートナーとの協働、自己規律、チームワークなどの資質や能力を高めることが大事と考えています。特に組織のリーダーとして事業活動を牽引する「ビジネスリーダーの育成」、従業員の専門性を高める「スキルアッププログラムの拡充」、世界のパートナーとの協働を担う「グローバル人財の育成」の3つの領域において取り組みを強化しています。

教育体系

人材育成は自社の経営資源をより強化することにつながります。当社では、「期待される人材像」を目指す姿として、階層別研修、それぞれの職種にあわせての機能別研修、次世代のビジネスリーダー育成のための選抜研修などを通して、人材育成を行っています。新入社員に対しては、配属後、「メンター制度」を導入し、各職場で責任を持って育成する仕組みを取り入れています。また、グループ経営強化のため、グループ会社向けの研修も随時実施しています。
さらに、カフェテリアプランを利用した自己啓発学習への補助のほか、重要資格保有者を育成する資格取得奨励一時金制度も設けています。これは、自己研鑽の風土醸成を促すことで、会社業績の発展に寄与することを目的として、当社の業務上で重要な資格を取得して業務を行う従業員に対して一時金を支給する制度です。

新人社員研修

新人社員研修

(参考:従業員一人当たり研修費用:単体12.1万円、連結4.7万円 ※2022年度実績)

ビジネスリーダーの育成

経営幹部候補の育成を目指す「経営塾」を2015年より毎年実施しており、これまでに98名が受講しています。参加者は、ケーススタディを通じて、経営者に求められるビジネスリテラシーと判断軸を身に付けるとともに、個別企業研究と自社課題を踏まえて、当社が目指すべき経営ビジョンを練り上げています。
また、グループ会社の組織リーダーを継続して育成するため、国内グループ会社は2005年から、海外グループ会社は2015年から、本社においてグループ会社マネージャー研修を実施しています。研修を通じて、島津への理解とロイヤルティを深め、リーダーシップ、マネジメントスキルを身に付けることで、海外市場でビジネスを牽引できるビジネスリーダーを育成すると共に、国や事業の枠を超えた人脈づくりを図っています。

グローバルマネージャートレーニング

グローバルマネージャートレーニング

スキルアッププログラムの拡充

スキルアッププログラムは、コミュニケーションやリーダーシップなどの対人スキル、機械設計や英語力などの対仕事スキル、問題解決やマーケティングなどのビジネス体系化スキルの3種類に区分されています。
このうち、対人スキルは、主に新入社員やマネージャーなどの階層別研修で、対仕事スキルは、研究開発や営業など職種別研修と職場におけるOJTで対象となる従業員のスキルアップを図っています。
また、ビジネス体系化スキルの習得機会を従業員に幅広く提供するため、経営戦略・マーケティングやプロジェクトマネジメントなどの公募プログラムを拡充するとともに、自己啓発として、問題解決などの基礎スキルを幅広く学べるe-learningを導入しています。

グローバル人材の育成

若手のグローバル人財の育成を目指す海外現場研修は、2012年度に開始し、これまでの派遣人数は51名、派遣国数は13か国となりました。海外グループ会社での研修以外に、海外研究機関や国際機関で活躍する研修生もおり、世界中のパートナーとの協働に取り組んでいます。
これに加え、海外赴任をする駐在員向けに、異文化を理解し、グローバルに通用するマネジメント力を向上させ、的確なコミュニケーションを行うことを目的とした研修も実施しています。
また、現在まで14名の海外グループ会社の人材を日本本社で受け入れています。日本では海外ビジネスの現場の声を聞くことができ、海外グループ会社の人材は、本社の価値観や業務プロセスの理解、さらに人的ネットワークを構築することができ、帰国後、日本と海外グループ会社を繋ぐ人材として活躍しています。

若手社員を鍛える「海外現場研修」

当社では、入社5年前後の若手社員を対象として、最長2年間、海外のビジネス現場に派遣する「海外現場研修」を実施しています。
異なる文化の中での生活や、多様な価値観を持つ人々と一緒に働く経験を通じて、語学力を含めたコミュニケーション能力と、海外ビジネスの「土地勘」を身につけさせ、これからの当社事業の更なるグローバル化をけん引する人材を育成することが研修の目的です。研修に参加する社員は、海外ビジネスにチャレンジしたいという本人の意欲と、今の職場で一人前の仕事ができているかどうかを重視して選んでいます。

欧州で働く経験

私はヨーロッパビジネスを統括しているShimadzu Europa GmbH(ドイツ)で研修して参りました。業務で使用する言語は英語、ドイツ人同士はドイツ語で話し、街中ではドイツ語しか通じない場所も多い、アジア人もたくさん見かける、といった面白い環境で過ごしました。ドイツ人の同僚は、時間効率を考えた行動を好む面があり、一緒に仕事をする上で時間の使い方や優先順位の考え方を学びました。しかしながら、どれだけ技術が進んでも面と向かっての情報交換以上のものはない、と多々感じることがありました。言語、文化が多様な欧州で多くの関係者と仕事をさせて頂き、意見交換することで良い信頼関係を築いていく貴重な経験が出来ました。

池澤由雄(2016年帰任)

マレーシアで働く経験

海外拠点の生産現場を学びたいと考え、ASEAN・中国の販社に製品を提供しているShimadzu Manufacturing Asia(マレーシア)に出向しています。現地では、担当製品の生産計画立案や、原材料の発注、納期管理に携わり、グローバル生産体制構築の大切さに気づきました。コロナ禍の中では、政府の活動制限令による工場稼働率の低下やサプライヤーの原材料提供不足が課題となりましたが、本社や他の海外拠点の支援を得ることで、継続的に高品質、低コスト、短納期での製品提供ができています。
また、職場では、様々な宗教・文化的背景をもつ同僚と働いています。異なる文化を理解し尊重することを常に心がけています。この貴重な経験を活かし、今後も国内外の生産拠点の支援をしていきたいと考えています。

2列目右端 王希希(2021年帰任)

グローバル人財育成の研修制度

研修名 対象 目的・内容 実績(延べ)
海外現場研修制度 グローバルビジネスに関心がある入社5年目前後の若手従業員 異文化環境におけるコミュニケーション能力と、現場の課題を見つけて、周囲のメンバーを巻き込みながら、主体的に解決に取り組むことを目的に、海外のビジネス現場で最大2年間の経験を積ませ、島津グループのグローバル事業を支える人財を中長期で育成する 派遣実績52名
(内海外赴任22名)

※2020年度は新型コロナウイルスの影響により派遣中止
内定者4名は、上記52名の派遣実績には含んでおりません。

GMT
(Global
Manager
Training)
海外グループ会社の新任マネージャー 島津への理解とロイヤルティを深め、リーダーシップ、マネジメントスキルを身に付けることで、海外市場でビジネスを牽引できるビジネスリーダーを育成することを目的に実施する GMT参加者 214名(GMT2014-2022)
うち研修後の昇格者 40名(2022年4月調査)

人材評価

当社では、業績達成とスキルアップに繋げる「目標管理制度」、成果と行動を評価して公正な処遇に繋げる「人事考課制度」、中長期的なキャリア開発に繋げる「自己申告制度」、という3つの人材評価プログラムを導入しています。
例えば、「目標管理制度」では、当社の正規従業員全員に対して、半年に1度、上司との面談にて、業績のレビューや次に向けた改善事項についてフィードバックを受ける機会を設けています。また、「自己申告制度」では、1年に1度、各人が中長期的に描くキャリアについて話し合う機会を設けています。