しぼり機構の種類
オリフィス板
多くのしぼり機構のうち、もっとも形が単純で製作が容易で、しかも精度がよいため、もっとも広く用いられています。ただし圧力損失が大きいという欠点があります。オリフィス板には、つぎの種類があります。

●同心薄板オリフィス
一般にオリフィスといえば、この同心薄板をさすように、オリフィスの板のなかで、もっとも広く用いられているもので、沈でん物などの異物を含まない液体・凝縮物を生じない気体、飽和蒸気または過熱蒸気などの流量測定に用いられます。
差圧はコーナタップ、D・D/2タップ(縮流タップ)またはフランジタップで取り出します。

●四分円オリフィス
流量が少ないとか、流体の粘度が高いためにレイノズル数が少ない場合、または、使用中に粘度が変動する場合に用いられます。差圧はコーナタップまたはフランジタップで取り出します。

●欠円および偏心オリフィス
いずれも、流体が沈でん物や気ほうなどの異物を含む場合に用いられます。これらは、その構造上オリフィス板の上流側に異物のたまることがないため、よい結果が得られます。差圧取出し口に異物がはいるのを防ぐため、しばしばパージ法が併用されます。欠円オリフィスは、コーナタップ、フランジタップまたは縮流タップを用います。
偏心オリフィスは、管路の内径100mm以上に用い、フランジタップまたは縮流タップを用います。
ノズル
ノズルは、オリフィス板に比べると、耐久性にすぐれ、流量係数が大きいため、高温・高圧・高速の蒸気や、ボイラの給水などの流量測定に適します。構造が複雑なため製作がむずかしく、高価になるのが欠点です。圧力損失は、オリフィス板と比べて、ほとんど変わりません。
ノズルにはつぎの種類があります。

●ISA1932ノズル
入口部の曲線が二つの円弧から構成され、差圧をコーナタップで取り出します。

●長円(ロングラジアス)ノズル
入り口部の曲線が長円の4分の1の弧からなり、差圧はラジアスタップで管壁に設けた差圧取出し口から取り出します。
ベンチュリ管
ベンチュリ管は、ノズルと同じように耐久性にすぐれ、そのうえ圧力損失が小さく、構造上からいって沈でん物たまりにくいため、異物を含む流体や、圧力損失をなるべく小さくしたい場合、あるいは地中に埋没して長年月手入れなしに使用するような場合に用いられます。
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