自由スペクトル領域(free spectral range)

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Free Spectral Range

(2)式のグレーティング方程式からもわかるように、波長λの光が回折格子に入射すると、m の値によっていろいろな角度に回折します。ここでm は整数のため回折角β は飛び飛びの値をとります。このため、図4 のように広い波長範囲の光が回折格子に入射すると、隣り合う次数のスペクトルが一部重なり合う現象が起こります。
ここで重ならない領域を回折格子の自由スペクトル領域free spectral range)と呼びます。m次光で波長λ1からλ2までの光を使用する場合、以下の条件を満足すればスペクトルの重なりを防ぐことができます。

 (7)

たとえば、+1次光で350nmから長波長域側を使用する場合は、700nmまでがスペクトルが重なりあうことなく分光できます。このとき、350nmから700nmの波長域が自由スペクトル領域となります。また、+2次光を使用する場合は、350nmから525nmが自由スペクトル領域となります。ただし、グレーティング方程式の項でも触れたように、長波長側の波長λ2、ここでは700nmの光が回折光として得られる溝本数を選ぶ必要があります。
使用する波長域が自由スペクトル領域を越える場合は、重なる領域において使用する次数以外のスペクトルを除去する必要があります。たとえば、+1次光で350nmから800nmまでの領域を使用する場合、700nm以上の領域では、重なり合う350nmから400nmの2 次光を除去する、つまり400nm以下をカットするフィルタを使用します。あるいは、検出器の切り替えによって防ぐ方法もあります。

図4 回折格子の自由スペクトル領域

図4 回折格子の自由スペクトル領域