非球面樹脂レンズの屈折率測定(PMMA、COP)

概要

KPR-3000は屈折率の多波長での自動測定が可能で、標準で5波長、オプション光源を搭載すれば、最大で16波長での測定が可能となります。屈折率の波長依存性(Δn/Δλ)を把握できます。測定精度が±2x10-5、表示分解能は0.1x10-5あるため、光学設計に必要な各波長における屈折率および分散などの情報を取得することが可能です。
素材の開発、材料の製造時の品質管理、使用条件に最適化した設計をするために必要な情報取得などにご利用下さい。

測定例

試料

非球面樹脂レンズ(PMMA、COP 2種[A、B])

  • ※ COP:シクロオレフィンポリマー

条件

試料温度 23℃
測定波長 9波長(h線、g線、F'線、F線、e線、d線、C'線、C線、LD785
  • ※LD785:半導体レーザ 785nm
接触液 nd 1.50

結果

各試料を各波長で5回測定した値の平均値を以下のグラフに示します。基準波長d線(587.56nm)での屈折率ndは、PMMAが1.492444、COP-Aが1.511829、COP-Bが1.530874で、分散特性(波長依存性)を示すアッベ数νdは、PMMAが57.93、COP-Aが56.75、COP-Bが55.73でした。今回用いた試料では測定値のバラツキは標準偏差σが0.2x10-5程度で、いずれの樹脂レンズも内部の屈折率分布がおおよそ均一であることが推測されます。
樹脂レンズやモールドガラスレンズは成形条件により屈折率が決定されるため、同一の素材を使用しても、条件の差により屈折率など各種特性に違いが現れます。モールドガラスレンズは、成形前(プリフォーム)と成形後の屈折率差は小数点以下3桁目に、成形条件による屈折率差は小数点以下4桁に違いが出ると言われます。この差は、設計上の性能を発揮するためには無視できない差であり、成形後の性能評価や光学特性評価が重要です。

図1:PMMA(アクリル)の屈折率測定結果

図2:COP(シクロオレフィンポリマー)-Aの屈折率測定結果

図3:COP(シクロオレフィンポリマー)-Bの屈折率測定結果

  • ※本測定で得られた代表値であり、各試料の屈折率を保証するものではありません。

構成

番号 項  目 備  考
1 KPR-3000 詳細はこちら
2 プラスチック用VブロックNo.1 詳細はこちら
3 高圧Hg光源
4 Cd光源
5 レーザ光源(1波長:785nm)
6 恒温装置
7 接触液 nd 1.50 詳細はこちら