技術トピックス

最近の技術トピックスの中からピックアップしてご紹介します。

金や銅などの加工用光源への応用が可能な世界最高クラスの高出力・高輝度青色半導体レーザーを開発

これまでレーザー加工が困難とされてきた金や純銅などの金属へも適用できる、世界初の青色半導体レーザーを用いた本格的なレーザー加工用光源 BLUE IMPACT™を開発・製品化しました。
青色半導体レーザーの波長は450nmと短いため金属への吸収率が高く、特に純銅への吸収率が格段に向上することは知られてきましたが、金属を溶融できるまでに高出力・高輝度化するのが困難でした。BLUE IMPACTTMはNEDOプロジェクトで大阪大学と共同開発した青色半導体レーザー技術を実用化したもので、本格的な金属加工への適用が可能な世界最高クラスの高出力(100W以上)と高輝度(1.3×106W/cm2)を実現しています。
近年、自動車業界におけるEVシフトや携帯機器の高度化に伴うリチウムイオン電池の高性能化に伴い、純銅のレーザー溶接や積層造形に期待が高まっています。これらの用途でBLUE IMPACT™が有効であることは大阪大学で実証されており、既にレーザー溶接機や3Dプリンタへの搭載が進んでいます。
(2018/05/23)

シンプルなワークフローで高感度、高精度な抗体医薬品の血中濃度測定を可能にする新技術

nSMOL法(nano-surface and molecular-orientation limited proteolysis)は高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)を用いたモノクローナル抗体の可変領域ペプチドを選択的に検出・分析できる新しい技術で、抗体医薬品の種類に依存せずに血中濃度の測定を可能にします。島津製作所は、この独自技術を生かしたLC/MS/MS用前処理キット「nSMOL Antibody BA Kit」を開発しました。この試薬キットとトリプル四重極質量分析計(LCMS-8050/8060)を使用することで、前処理操作をシンプルにしながら、高精度・低コスト・時間短縮を実現し、抗体医薬のバイオアナリシスにパラダイムシフトをもたらします。
(2018/05/08)

樹脂めっきにおける前処理と下地層形成を真空下で行える環境負荷を抑えた新技術を開発

樹脂基材に金属膜を形成する樹脂めっき工程において、高速スパッタリング装置を用い、基材表面の前処理や下地層の形成を真空下で行う環境負荷を抑えた新技術を開発しました。
従来の樹脂めっき工程では、六価クロムを含むクロム酸で基材表面をエッチングした後に、高価な金属触媒を用いて銅とニッケルで構成された下地層を形成していました。今回開発した新技術は、高速スパッタリング装置の真空チャンバー内で、プラズマによる前処理後にスパッタリングによる銅下地層の形成を行います。前処理とスパッタリングの最適化によって実現した本工程では、六価クロムや金属触媒は必要とせず、廃液も発生しないため、環境負荷の低減やランニングコスト削減が期待できます。また、これまで検討されていた多くの代替手段では下地層の密着性を確保することが課題でしたが、当社による評価において、新技術は従来手法と同等の密着性を確認しています。
射出成形機と高速スパッタリング装置を連携させ、樹脂成形から下地層の形成までを自動化することも可能であり、防湿や防汚による歩留まりの改善にも貢献します。
(2018/05/07)

自動車エンジンのシリンダ内における温度とCO2濃度を高速かつ同時に計測する新技術を開発

光ファイバや光学素子等で構成される小型のプローブ(以下センサプローブ)を直接自動車のエンジン内部に挿入し、シリンダ内の温度および二酸化炭素(CO2)濃度をレーザ光学技術によって高速かつ同時に計測する技術を開発しました。
新開発のセンサプローブは、点火プラグと一体化してエンジンに取り付ける事ができるサイズとなっており、量産用エンジンに対しても特別な加工をする事無く計測することが可能となります。また、高速で回転するエンジンに対して計測をおこなうため、ガスのサンプリングをおこなわずに気体中のH2OおよびCO2の吸光度を直接計測して温度とCO2濃度を算出することで、50μs周期での計測を可能にしています。
この技術を実用化した装置によって得られた温度およびCO2濃度から、様々な運転状態における燃焼状態の把握が可能となり、走行性能および環境性能の高いエンジンの実現が期待できます。
(2017/08/23)

音波と光を用いたインフラ構造物診断技術

超音波と光を用いて鋼構造物やコンクリートにおける隠れた欠陥を非破壊で検出・画像化する新技術を開発しました。音波が物体表面を伝わる様子を、光を使って可視化し、伝搬状態の乱れ(不連続)から、表面付近の隠れた欠陥を検知します。この技術の応用により、近年の社会的課題となっている老朽化したインフラ構造物の維持管理において、検査工程の省力化・効率化が期待されます。実用化に向けて実証研究を進めるため、京都大学との共同研究を2016年9月から開始しています。
(2017/08/04)

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