ニュース

報道関係の皆様からのお問い合わせはこちら

掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。

2016年8月24日 | プレスリリース 分析技術で環境保全に貢献
国連大学UNU-IAS環境監視プロジェクト 第7期支援活動が始動
~1996年から20年にわたり継続支援~

技術者と議論する分析技術トレーニング参加者(写真左)とLC-MS/MS分析風景

技術者と議論する分析技術トレーニング参加者(写真左)とLC-MS/MS分析風景

島津製作所は、1996年から20年にわたり参加・協力を続けてきた国連大学の「環境監視プロジェクト」に引き続き支援を行うことを決定し、このたび第7期の活動として国連大学サステイナビリティ高等研究所(University Nations University-Institute for the Advanced Study of Sustainability ; UNU-IAS)と「底質および水生生物中のペルフルオロ化合物(PFCs)のモニタリング」に取り組むことで合意しました。

環境監視プロジェクトは、アジア沿岸水圏の環境汚染状況の適切な把握と管理を目指す多国間プロジェクトで、河川や土壌などに含まれる残留性有機汚染物質(POPs)を主なモニタリング対象としています。当社は1996年のスタート時から継続して支援を行っており、環境分析に関わる専門的な技術とノウハウを活かし、本プロジェクトに参加している各国の研究機関および研究者の調査・研究をサポートしています。

本プロジェクトでは国立環境研究所 柴田康行フェロー、愛媛大学農学部 森田昌敏客員教授をアドバイザーに迎え、アジア10か国の研究機関・大学において環境分析データを蓄積することで、残留有機汚染物質に関する国際条約であるストックホルム条約で進められている汚染状況の実態把握と共に、アジア参加国におけるヒトや生態系への影響評価、規制・基準の決定などに貢献します。

島津製作所は、分析装置の提供、分析技術の支援、人材育成の面で支援を行います。その一環として、7月12日-15日には島津製作所 グローバルアプリケーション開発センターと島津テクノリサーチ(いずれも京都市中京区)において分析技術トレーニングを開催しました。

当社は「科学技術で社会に貢献する」の社是のもと、地球環境の保全と事業活動の調和を経営の最優先課題の一つと位置づけています。本プロジェクトに当社の製品・技術が活用されることは大変意義が大きいと考えています。

分析技術トレーニングについて(7月12—15日実施)

底質および水生生物からのペルフルオロ化合物群の抽出から、当社の液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)による測定までの一連の分析技術を学びました。今期は分析対象成分を増やすと共に、前期に比べて測定時間を1分析当たり30分から15~20分に短縮できる新規メソッドを用いて、分析の高速化にも取り組みます。今後、各国でサンプリングが行われ、アジア3か所に設置したプロジェクトラボで残留性有機汚染物質の測定が行われる予定です。

トレーニングの主な内容

1日目 アドバイザー挨拶(森田先生)、POPsモニタリング最新動向についての講演(柴田先生)
島津LC-MS/MS操作講義
2日目 第7期概要の紹介(UNU-IAS)、底質試料の前処理実習
3日目 生物試料の前処理実習、LC-MS/MS分析実習
4日目 データ解析と評価、装置メンテナンス

第7期プロジェクト概要

環境水、底質および水中生物中のPFOS、PFOAおよびその関連物質の測定に取り組み、アジアの参加10か国における環境水中の汚染濃度変化、生物への濃縮状況を把握するためのデータを取得することを目指し、PFCsのモニタリング、分析技術の能力開発を行います。

参加国

中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム(10か国)

支援内容

装置貸与:高速液体クロマトグラフ質量分析計 (LC-MS/MS) 3式(継続)
サポート:標準分析法の確立、研究機関・研究者への分析技術トレーニングおよび国際シンポジウム開催サポート

補足資料:過去のプロジェクト概要

第1期:食品中の農薬、飲料水や大気中の揮発性有機化合物(VOC)、藻毒素のモニタリング
第2期:河川水中の環境ホルモン(農薬、ビスフェノールA、アルキルフェノール、フタル酸)のモニタリング
第3期:河川・土壌中の有害汚染物質のモニタリング
第4期:甲殻類・魚類などの水生生物中の有害汚染物質のモニタリング
第5期:環境水中のPCB、底質中の臭素系難燃剤(PBDEs)のモニタリング
第6期:環境水中のPFOS、PFOAのモニタリング
なお、第6期の成果として、韓国、フィリピン、タイの分析データが、ストックホルム条約の地域レポート に、同条約によるグローバルモニタリング計画の正式なデータとして活用されました。
Regional Monitoring Report for Asia and the Pacific (Second Monitoring Reports)