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2015年9月2日 | プレスリリース バイオ医薬品の凝集体分析などに最適
「ProminenceイナートLCシステム」を発売

ProminenceイナートLCシステム

ProminenceイナートLCシステム

島津製作所は、バイオ医薬品の凝集体分析など、生体高分子の分析に最適なメタルフリーLCシステム「ProminenceイナートLCシステム」を発売します。試料溶液や移動相が接する流路にPEEK樹脂などの非金属素材を採用することで、金属材質の接触によって活性が変化する恐れのある成分の安定的な分析を実現します。なお本製品は「JASIS 2015」(9月2日~4日、幕張メッセ国際展示場)に出展します。

開発の背景

現在の医薬品市場は、有機合成を用いる低分子医薬品から、抗体医薬品などバイオテクノロジー技術を活用したバイオ医薬品に移行しつつあり、今後も高い成長が見込まれています。抗体医薬品は、病原体で過剰に生成されるたんぱく質やがん細胞表面を認識してピンポイントで攻撃できるため、高い治療効果があると共に副作用が少ない医薬品として注目されていますが、その製造工程で受ける様々な外的因子の影響によって変性しやすいという特徴があります。時間的経過や機械的刺激、温度変化などにより抗体同士が結合して凝集体が生成されると、医薬品の効果を低下させるだけでなく、人体に重大な副作用を及ぼす可能性が指摘されています。そのため、抗体医薬品の開発における凝集体分析はその安定性を評価する上で重要であり、凝集体分子の大きさや量などを測定する粒度分布計(製品名:Aggregates Sizer TC)や凝集体分子を分離するサイズ排除クロマトグラフィーなどが用いられています。

サイズ排除クロマトグラフィーによる分析では、移動相として塩化ナトリウムなどのハロゲン化物塩を高濃度で使用します。その際、ステンレス系の装置や配管では腐食を受けて分析結果に影響を与えたり、金属の溶け出しによりタンパク質が金属を取り込み、タンパク質本来の性質や機能が失われたりする課題があることから、バイオ医薬の品質管理部門や開発部門ではメタルフリーLCシステムの需要が高まりつつあります。

新製品の特長

1. 流路の材質を不活性化することにより試料の吸着を抑制

本製品は、高速液体クロマトグラフProminenceの特長である高い信頼性、堅牢性、拡張性を生かしつつ、試料溶液や移動相が接する流路の材質をすべて不活性化(イナート化)することにより、凝集体分析に用いる高塩濃度を含む移動相に対するシステムの耐食性を向上しました。これまでイナート化が難しかったオートサンプラのサンプリングニードルもセラミック製にすることで、金属材質に吸着しやすい試料の吸着を抑制します。

2. 新型イナート送液ポンプにより再現性の高い凝集体分析が可能に

本製品の送液ポンプには、新型イナート送液ポンプLC-20Aiを搭載しています。送液制御のメカニズムを改良することによって、検出器のベースラインノイズを低減し、再現性の高い凝集体分析を可能にする高精度の送液性能を実現しました。

3. 装置のメンテナンス作業を支援

ProminenceイナートLCシステムには、各装置のメンテナンス作業を支援する機能を搭載しています。これにより、消耗部品の使用頻度や交換目安の確認が容易に行えるため、システムを安定して稼働させることができます。

  • ※ProminenceイナートLCシステムに用いるイナート送液ポンプLC-20Aiは、バイオ医薬品の凝集体分析に加えて、水道水を対象とした水質基準項目である臭素酸を測定する分析システムの反応液送液に使用でき、10ppb(ppbは十億分の一)の測定精度が求められる水質検査法(厚労省告示第261号)に対しても、500ppt(一兆分の一)レベルの高感度分析が可能です。
名   称 ProminenceイナートLCシステム
価   格 700万円~ (税別、PCや制御用ソフトウェア含まず)