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2015年1月14日 | プレスリリース 培地成分や分泌代謝物など95成分を17分で分析
質量分析技術を活用し、細胞解析事業に参入
- 東京エレクトロンと幹細胞関連のプロジェクトで連携 -

株式会社島津製作所(本社:京都市中京区、社長:中本晃)はこのたび、高速液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)を用い、多能性幹細胞の培養液に含まれる95成分をわずか17分で一斉分析できるメソッドを開発しました。当社は本メソッドによって多能性幹細胞の品質管理技術の確立に貢献します。また、東京エレクトロン株式会社(本社:東京都港区、社長:東 哲郎)が日英の産学官機関と共同で進める「スマート・セル・プロセシング」プロジェクトに参画し、その中で本技術を活用します。当社は中期経営計画(2014年度~2016年度)において新事業戦略の一つとしてライフイノベーションを掲げ、iPS細胞やES細胞などの細胞解析事業の深耕に注力しています。本技術により、当社は細胞解析事業に本格的に参入します。

本技術は、本年2月に新製品「LC/MS/MSメソッドパッケージ 培地分析」として発売予定です。培地中のビタミン類やポリアミンなどの微量成分から、グルコースやグルタミンなど高濃度で含まれる成分まで、同じ分析バイアルを用いて幅広い成分を一斉分析することが可能です。多能性幹細胞を用いた再生医療研究においては、培養期間中、細胞が正しく増殖しているか連続的に細胞の状態を評価する手法の開発が求められています。質量分析装置のもつ高速性・高感度性を活用した本技術を用いることで、細胞培養に伴う培地成分の変化や細胞から分泌される代謝物をモニターすることができ、培養工程管理や細胞の品質管理に重要な指標の探索などに役立つものと期待されます。

東京エレクトロンは、半導体製造装置開発で培ったクリーン化技術や各種プロセス技術を応用し、高品質な幹細胞の自動培養・検査プロセス技術(スマート・セル・プロセシング)の確立と標準化を目的とした幹細胞プロジェクトを推進しています。本プロジェクトは東京エレクトロンを中心に技術パートナー企業15社が参画するものです。東京エレクトロンは、本プロジェクトの一環として、昨年、ヨーロッパ子会社を通じて英国に幹細胞テクノロジーセンターを開設しました(10月1日プレス発表)。同センターでは、英国・国立細胞治療実用化研究所(セル・セラピー・カタパルト)等との共同研究も進めて行くことにしています。多能性幹細胞を用いた再生医療を人々に身近な医療とし、産業として発展させるためには、原材料となる細胞の培養工程管理技術や、得られた細胞の安全性を担保するための品質管理技術、さらには安価に細胞を提供できる自動化技術等の確立が重要となります。当社と東京エレクトロンとの連携により、本メソッドパッケージで得られた分析情報をコンピュータで制御された自動培養・検査プロセス装置の中で活用し、安定した品質の細胞調製の実現へつなげます。

日本においては2014年11月に施行された再生医療等の安全性の確保等に関する法律によって、医療機関から外部への細胞培養・加工の委託が可能になり、細胞を大量に培養する中で培養工程や細胞の品質を客観的・科学的に管理したいというニーズは今後ますます増加することが予想されます。当社の質量分析装置は多数の成分が含まれる複雑な試料を高感度かつ短時間で一斉分析できることが特長であり、細胞分野においてもその真価が発揮できるものと考えます。当社のコア技術である質量分析技術を活用し、再生医療のさらなる発展への貢献を目指します。