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2014年8月25日 | プレスリリース 武田薬品工業株式会社と共同開発
逆相精製自動スケールアップシステム「ASAPrep」を発売

株式会社島津製作所(社長:中本 晃、京都市中京区)は、新たに合成した化合物を精製する際に行うHPLC(高速液体クロマトグラフ)での分取の可否判定と、分取可能となる条件を容易に決定することができる逆相精製自動スケールアップシステム「ASAPrep(エイサプレップ)」を、武田薬品工業株式会社(社長:クリストフ・ウェバー、大阪市中央区)と共同で開発し、8月25日に発売しました。

  • ※ASAPrepとは、「Automated Scale-up from Analytical to Preparative conditions」の下線部から取った造語です。

製薬企業や大学、研究機関などで行っている新規候補化合物の探索プロセスでは、化合物の合成・目的物質の分取精製・活性を持つ化合物の評価と選別(ハイスループットスクリーニング)のループを円滑に回すことが非常に重要となっています。このうち、合成とハイスループットスクリーニングについては自動化が進んでいますが、HPLCを用いた分取精製については、熟練した専門の技術者による条件の検討が必要であり、前後のプロセスに対してスピードが追い付いていないという現実がありました。

特に、大手の製薬会社の創薬化学部門では、1日あたり何百もの新規化合物を合成する能力を持っていますが、合成と同じスピードで次のスクリーニング部門が要求する純度と量の化合物を分取精製することは困難です。なぜなら、分取精製の可否判定や条件の決定には、クロマトグラフィーに関する高度な知識を必要とするからです。そこで、従来、多くのラボでは分取精製専門の担当者を配置し、研究員のサポートを行っていましたが、この方法では、精製のスピードが合成のスピードに追いつくことは不可能です。このような分取精製のプロセスにおける問題を解決するために、当社は、武田薬品工業と共同で、新規合成化合物の分取精製の可否を判定し、精製条件を決定できるASAPrepを開発しました。

本システムは、PDA検出器を接続した液体クロマトグラフ質量分析計(LC-PDA-MS)での測定結果から得られた目的化合物の保持時間(試料注入からピーク検出までの時間)を利用して、最適な分取条件となる移動相物質の濃度を計算し、分取の可否や条件を判定するアルゴリズムです(特許出願中)。本システムを使用するためには、今回新たに開発したOpen Solution Purificationというソフトウェアの導入が必要です。このソフトウェアに組み込まれたASAPrep演算式を用いることでアルゴリズムが算出されます。

本システムによって分取精製の可否判定が容易に行えるようになり、内径の小さい分析用カラムを用いた分取条件の検討から内径の大きい分取用カラムへのメソッド移管(スケールアップ)をスムーズに実現します。これまでボトルネックになりがちだった分取精製業務の効率化や、ユーザーのクロマトグラフィー知識に左右されないワークフローの構築を可能にします。

島津製作所 分析計測事業部 事業部長の上田輝久は次のように語っています。「機器ベンダーとして、お客様のワークフロー改善に貢献できることは嬉しい限りです。今回、武田薬品工業の方々と共同開発したASAPrepは、分取精製の効率化を実現できるだけでなく、メソッド開発の難しさから敬遠されがちであった逆相精製の普及を図る画期的な技術であると考えています。」

本製品は、製薬企業を始め、新規化合物の合成や探索を行っている大学や研究機関などへも拡販を図り、お客様のスループット向上に貢献します。

名   称 逆相精製自動スケールアップシステム「ASAPrep」
価   格 80万円~(Open Solution Purificationソフトウェア、税別)

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