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2014年3月25日 | お知らせ 防衛省に対する過大請求の概要と再発防止の施策について

当社は、本日、防衛省に対して過大請求に係る返納金約216億円の納付を完了し、昨年1月25日から行われていた同省による指名停止の解除を受けましたのでお知らせいたします。
関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、誠に申し訳なく、改めて深くお詫び申し上げます。当社としては、グループの全役員、全従業員が一丸となって、今後二度とこのような問題を起こさないよう信頼回復に努めてまいります。

本事案については、社内4名と社外の弁護士4名からなる調査委員会を立ち上げ、実態の解明と再発防止のための施策の検討を進めてきました。同委員会の調査結果を踏まえ、本事案の概要と再発防止の施策について、以下の通りお知らせいたします。

不適正な工数実績の報告による過大請求の実態

今回の防衛省に対する過大請求は、航空機器事業部が防衛省、陸海空自衛隊及びその関連機関、航空機の機体会社と締結していた航空装備品の製造、修理等の契約において発生しました。
このような契約においては、一般的に市場価格というものがなく、殆どの契約において契約物品・役務の価格(契約金額)は、その構成品の購入費、外注費、自社での加工費、その他の経費、納品費等の原価を個別に積み上げて売価を算定する「原価計算方式」という方法により決定されています。また、通常は、この方法においては原価の実績の報告を求められます。
今回の防衛省に対する過大請求は、こうした原価の構成要素の中で加工費について、その算定根拠となる「作業工数」を実際にかかった工数実績値よりも過大な修正値で報告することにより、本来の契約金額よりも過大な価額で契約を締結し、支払請求していたというものです。
このような工数値の修正行為は、遅くとも1960年代後半に始まりました。従前に納入実績のある製品・修理の場合は、従前の見積工数から乖離した実際の工数を提示すると、その乖離が生じた事情の具体的な説明が必要となるので、そのような不都合を回避しようと考え、修正工数値で報告や見積をするなど、乖離を含んだ修正が継続されてきました。
また長年にわたる実務取扱として修正が行われてきたため、実際に発生した作業工数値に基づいた原価を報告するのは、従前の工数値からの乖離が表面化することとなり、航空機器事業部、全社のみならず、防衛省関連機関に甚大な影響を与えるのではないかという恐れから、今回判明するまでこうした不正行為を止めることができませんでした。
これらの行為は、従前からの取扱実務を引き継ぐ慣行として継承されており、業務としての実態を把握していたのは、一部の関係者に限られていました。

不適正な間接工数の直接工数への振替

本事案では、作業工数の計上において、間接作業(改善活動や製造準備作業等)の工数として報告されたものを、契約品の製造や修理に携わった直接作業の工数として振替計上することも行われていました。この行為は遅くとも1970年代から行われており、従前からのルーティン業務の作業として引き継がれていました。

過去の制度調査等での不適正な対応

こうした不適正な処理は、過去に実施された防衛省の制度調査等の時には発覚しませんでした。これらの調査等に際しては、事前に提示された調査日程や調査対象となるサンプル契約の情報に基づき、対象サンプル契約に対して帳票作成替えを含めた各種エビデンスを準備するなどして、不正の発覚を回避してきたことがわかりました。

再発防止の施策

会社としては、今回のような不適正な行為を二度と発生させることのないよう、防衛装備品契約に対する正しい理解の上に立って、適切に契約を締結し、履行するために「防衛省契約取引実施要領」を作成し、各層にわたる研修を通じて全関係者に徹底していきます。
また、新しい工数報告システムを導入し現場で発生した工数を正確に把握する体制を整えると共に、今回の不適正な行為を行っていた部署を廃止し、関係する組織とその任務の見直しを行います。工数に関する見積や報告の基となる原価情報の管理は、実際の情報を把握している工場部門が担当します。防衛省に対する見積提出や実績報告の際は、工場長が原価情報の承認を行い、それに基づき営業部長が見積および実績報告の承認を行う体制とします。
内部監査室による業務監査に加え、適切な業務遂行の確保を常時監視する部署を事業部に新たに設けます。また、内部監査室などの本社部門がこのチェック機能を定期的に監査する体制とします。
更に、内部統制機能の整備として、全社的なコンプライアンス研修の充実、内部通報制度の拡充、社外取締役の導入を含む経営機構の改革、組織運営の透明性を高める人事ローテーションの促進等を行い、本事案のような不適正な行為が二度と行われることのないよう全社的にコンプライアンスの強化を図っていきます。
以上の再発防止策の迅速かつ着実な実施のために、内部監査室、法務部、総務部(内部統制部門)が再発防止策実行管理表に基づき進捗を管理していきます。
なお、調査委員会の調査等により本事案に関与した事実が認められた者については、所定の手続きに従い、責任の程度に応じた社内処分を行います。
また、会長および社長は、月例報酬の40%、3ヶ月、本事案を監視監督する立場にあった役員は同20%、2ヶ月の自主返上を行います。