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2013年11月12日 | プレスリリース 愛知県「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトによる研究成果
Quick-DB 「GC/MS残留農薬分析用データベース」を発売

島津製作所(京都市中京区、社長:中本晃)は愛知県の産学官連携の共同研究プロジェクトである「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトの「食の安心・安全技術開発プロジェクト」* における成果として、愛知県衛生研究所と共同でQuick-DB 「GC/MS残留農薬分析用データベース」を開発しました。本データベースは食品中の残留農薬を迅速にスクリーニングするための製品です。

「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトは、大学等の研究シーズをもとに産学行政が連携して共同研究開発を行い、企業による事業化・製品化を目指すもので、科学技術交流財団が愛知県からの委託を受けて実施しています。

当社は「食の安心・安全技術開発プロジェクト」の二つのグループテーマに参加し、当社のコア技術である質量分析技術を生かして研究開発を進めています。今年9月には食品等に混入した微生物を迅速かつ高精度に亜種・株レベルで識別できる「AXIMA微生物同定システム対応高精度細菌識別ソフトウェアStrain Solution」を名城大学と共同で開発し、販売を開始しました。このたび新たに、当社のガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-QP2010 UltraおよびGCMS-TQ8030を用いて食品中の残留農薬を迅速・簡便に検出・定量できる技術の実用化に成功し、11月12日より製品の販売を開始します。

食品中の残留農薬分析においては、2006年にポジティブリスト制度が制定されてからは、検査対象となる農薬が大幅に増加し、その標準試料の購入・管理コストおよび定量解析に必要な検量線などの化合物情報の設定に多大な労力が必要になっています。さらには、厚生労働省より2013年3月に事務連絡「加工食品中に高濃度に含まれる農薬等の迅速検出法について」が示されるなど、健康被害防止の観点から高濃度に残留した農薬の迅速な検査法も求められており、ニーズは拡大を続けています。

本データベースは、受託検査機関などの大規模なラボだけではなく、生産地に近い検査所や食品工場などに設置された小規模なラボにおいて、複雑な残留農薬分析をオンサイト(その場)で高精度に行うことができるよう開発した製品です。こうした簡便・高精度な検査は消費者の安心・安全につながるだけでなく、農産物や加工食品を海外へ輸出をする際の信頼性向上にも寄与するものと期待されます。

製品の特長

1. 農薬サロゲートを用い、標準試料不要の迅速な定量分析を可能に

本データベースには、GC-MSおよびGC-MS/MS用の分析条件と478種類の農薬の化合物情報や検量線があらかじめ登録されているため、分析条件の検討や検量線の作成等の化合物情報の設定に労力を割く必要はなく、迅速に定量分析を始めることができます。さらに、登録されている検量線では、19種の農薬サロゲートを内部標準物質として選定しており、登録されている全農薬の物性をカバーし、標準試料を用いなくとも精度の高い定量分析が可能です。

2. Twin Line MSシステムを用いた残留農薬分析

異なる2種のカラムで真空を落とさずに分析することが可能なTwin Line MSシステムにも対応しています。Twin Line MSシステムは、異なる2種のカラムによる分離の違いから夾雑物の多い試料の同定・定量精度を高めることができ、夾雑物の多い加工食品分析に有効な手法です。本データベースでは、農薬分析に適した2種のカラムを選定し、それぞれに対応した定量分析メソッドを用意しています。

3. 精度管理機能をさらに充実

日常の分析において、データの信頼性を維持するためには、定期的な装置の精度管理が必要になります。本データベースには、農薬サロゲートを用いたQA/QCメソッドが用意されています。ライナー、イオン源周りの汚染およびカラムの劣化について、各部の影響を受け易い農薬サロゲートを用いて、正確に確認することができます。メンテナンス項目が分かり、装置の精度管理作業を支援します。

なお、この研究開発では、愛知県衛生研究所が開発した「クロマトグラフを用いたマルチ定量分析方法」(数十種類程度の内部標準物質を、同一条件下での測定によって得られた物性データに基づいて、数百種類といった対象物質に的確に割り当て、あらかじめ取得した検量線データベースを用いた定量分析法)に基づき、島津製作所がデータベースの開発を行いました。

当社は今後も「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトでの研究を進め、食の安心・安全につながる製品開発を進めることによって、科学技術で社会に貢献します。

名   称 Quick-DB 「GC/MS残留農薬分析用データベース」
価   格 60 万円(税別)
発 売 日 11月12日

語句解説

※ 食の安心・安全技術開発プロジェクト
農産物および食品の安全を脅かす有害化学物質、固形異物、微生物を高精度かつ迅速に検知する技術を開発することを目的として、10大学、6公的研究機関、24民間企業(平成25年8月1日現在)が参画する大型プロジェクト。当社は総合精密機器メーカーとして長年培ってきた技術を生かし、同プロジェクトのうちグループテーマ1「農畜産物等の有害化学物質を検出できる高度な計測デバイスの開発」およびグループテーマ3「食品等の微生物を検出できる高度な計測デバイスの開発」に参加しています。本データベースはグループテーマ1における研究成果です。

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