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2013年7月1日 | プレスリリース 呼吸性移動に対応し、がん組織へのピンポイント照射を支援する
放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX」を発売
- 放射線照射体積を従来の1/2~1/4に縮小し、正常領域への照射を大幅低減 -

SyncTraX(イメージ図)

SyncTraX(イメージ図)

島津製作所は、放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX(シンクトラックス)」を、7月1日に発売します。
本製品は、がんの放射線治療で用いられるリニアック(放射線治療装置)と組み合わせるシステムで、呼吸等の影響により体内で一定の位置や形状を保たない肺や肝臓のような体幹部への放射線治療の場合でも、正常組織への放射線照射を避け、がん組織にピンポイント照射することが可能です。
本製品は、国立大学法人北海道大学大学院医学研究科の白?博樹教授と石川正純教授によって研究が進められてきた「動体追跡技術」を臨床現場に提供するものです。

放射線治療は、外科手術、抗がん剤と並ぶがん治療法の3本柱の一つであり、局所的に放射線を当てることでがんの増殖機能を抑制する方法です。治療に伴う痛みがほとんどなく、また身体の機能と形態を損なわないため、生活の質(QOL:Quality Of Life)を維持しながら治療できる方法であることから、放射線治療を選択する患者数は年々増加しています。
ただ、肺や肝臓のような体幹部の腫瘍の位置は、呼吸に合わせて大きく移動するため、同じ場所にとどまりません(呼吸性移動)。そのため、腫瘍の位置をリアルタイムで捉え、放射線をがん組織にピンポイントに照射することができるシステムが望まれています。

「動体追跡技術」は、呼吸性移動のある腫瘍の近傍に留置された金マーカを、2 方向からのX 線透視により画像化し、パターン認識技術で自動抽出・計算することでリアルタイムに3次元位置を把握して、放射線を照射するタイミング、または止めるタイミングをリニアックに指示することにより、金マーカが治療計画位置から数mm の範囲にある場合にだけ放射線を待ち伏せ照射する方法であり、当社は白?教授・石川教授と共同で、この「動体追跡技術」を実用化した本製品を開発しました。
本製品をご使用いただくことにより、従来の腫瘍の呼吸性移動による移動範囲すべてに放射線を照射する方法に比べて、照射体積を最大で1/4 に減らすことができ、正常領域への照射を大幅に低減します。また高い線量を腫瘍に照射することも可能となり、効果的な治療や治療時間の短縮につながります。
なお、本製品はX線透視システム(X線管、X線検出器)、X線高電圧装置、同期制御装置、動体追跡処理装置により構成されています。

本製品は、当社が掲げる成長戦略「診断分野から治療分野への展開」の一端を担う戦略製品です。2012年度の診療報酬改定で加算の対象になったこともあり、動体追跡システムに対する関心は高まりつつありますので、当社は本製品の普及を通じて、QOLに優れた最先端の放射線治療に貢献するとともに、治療分野における地位を確立していきます。

本製品の特長

1. 金マーカを用いた動体追跡により大幅な放射線照射体積の低減を実現

腫瘍近傍の金マーカにより呼吸等の動きを監視することで、肺や肝臓等体内で位置を変える腫瘍であっても、最適タイミングで放射線を照射することが可能になりました。またこれに伴い、放射線照射体積を従来の1/2~1/4程度まで抑制できるため、高い線量を腫瘍に効果的に照射することができます。
また、同時追跡が可能な金マーカについては最大3個まで対応できますので、複数のマーカを照合することで、より正確な位置決めや追跡が可能になります。

2. カラーイメージインテンシファイア(カラーI.I.)を採用した可動式X線透視システムにより高精度の治療を支援

U字レール上を2対のX線管球・X線検出器が移動するX線透視システムを採用することにより、治療角度に応じた最適位置にX線透視システムを移動させて患者の金マーカの位置を透視することができます。
また、従来のモノクロI.I.に代わり、X線検出器として高感度で広いダイナミックレンジを実現するカラーI.I.を採用したことによりX線透過量の広範囲な透視が可能となり、ハレーションや輝度不足の少ない透視画像を得られ、マーカの追跡性能が向上しました。

名称 放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX」
価格 3億円(税別)
販売計画 5台(発売後1年間、日本国内のみ)

製造販売承認番号(医療用)

22500BZX00105000 放射線治療装置用シンクロナイザ
「放射線治療装置用動体追跡システム SyncTraX」

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