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2013年3月22日 | プレスリリース 太陽電池セルの生産を支援する
反射防止膜成膜装置「MCXS」・セル検査装置「SCI」シリーズを発売
- 高信頼性・高生産性・低コストの実現に貢献 -

反射防止膜成膜用プラズマCVD装置「MCXS」

反射防止膜成膜用プラズマCVD装置「MCXS」

複合検査装置「SCI-8SM」(左)、外観検査装置「SCI-8S」(右)

複合検査装置「SCI-8SM」(左)、外観検査装置「SCI-8S」(右)

島津製作所は、結晶シリコン型太陽電池セル生産プロセス向けに、反射防止膜成膜装置「MCXS」および検査装置「SCI」シリーズ2機種を発売します。

太陽電池市場は、需要地確保や現地企業育成等の観点から優遇政策の導入を進める中国、太陽光発電システムにとって良好な条件が整っているアメリカやインド、また再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始された日本などにおいて拡大しています。また長期的にも、新興国における経済成長や生活水準の向上によりエネルギー需要が急激に増加することに伴い、特に日照条件の良好なアフリカ、中東、南米、東南アジアなどにおいて需要が拡大することが見込まれ、2030年には2012年の3.2倍である128,600MWまで出力数が伸びることが予測されています*1

このような状況のなか、製造コストを低く抑えることができ、またメガソーラー等の太陽光システム全体の出力を低下させるとして大きな問題になっているPID(Potential Induced Degradation:電圧誘起出力低下)に対して高い耐性をもつ太陽電池が強く求められています。
太陽光の反射を抑えてエネルギーの吸収を高める役割を果たし、発電効率向上に貢献する反射防止膜およびその成膜装置についても、これら課題に対処するべく、高水準の性能と生産性が求められています。
そこで当社は、新開発のホローカソードプラズマソースおよびダイレクトプラズマの採用により、高スループットで低ランニングコスト、かつ高いPID耐性を有する反射防止膜を成膜するプラズマCVD装置「MCXS」を開発しました。本装置は、高密度プラズマが基板の表面や内部に存在する結晶欠陥を修復し、太陽電池の特性を改善させるため、高変換効率化にも寄与します。
なお、低周波・高密度プラズマにより高速に成膜を行うため、「MCXS」を用いて製作した結晶シリコン型太陽電池モジュールは、高いPID耐性を有することを、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研という)が主催する「第II期高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」での検証結果により実証しました。本成果は、3月28日に「第60回応用物理学会春季学術講演会」において発表します。

一方で、太陽電池の品質競争もより激しさを増しています。生産性を向上しつつ、品質管理を厳格にするために、太陽電池セルの生産工程において現在主に人手で行われている検査の自動化が強く求められています。
このニーズに応えるため、マイクロクラックとウエハ外観の1台同時検査を可能にした複合検査装置「SCI-8SM」および業界最小サイズ*2の外観検査装置「SCI-8S」を新たに開発しました。
これらの検査装置は、ライン停止による長期の生産中断の防止や、歩留まりの向上に効果を発揮します。

当社は拡大を続ける太陽電池市場向けにこれら3製品を投入することにより、環境にやさしい再生可能エネルギーの普及に貢献していきます。

*1 富士経済調べ  *2 当社調べ

MCXSの特長

1. 高いPID耐性を実証

今回の産総研における試験は、摂氏25℃、モジュール表面ガラスを水に浸した状態、電圧1000Vという条件下で168 時間実施されました。その結果、当社装置で成膜して製作した太陽電池モジュールにおいて、出力が低下することはありませんでした。
本製品は信頼性の高い太陽電池の供給に寄与します。

2. 太陽電池生産能力の向上に貢献

高密度プラズマを生成するホローカソードプラズマソースを新開発し、原料ガスの分解効率を高めることにより、ダイレクトプラズマ方式では業界最高速の成膜レート(100nm/min以上)を実現しました。またインライン型高速搬送機構により、同クラスの従来品と比べて最高レベルの1時間あたり1,700枚以上という高スループットを実現しており、ライン全体の生産能力の向上に貢献します。

3. 低コストの実現

高速成膜、縦型基板配置による装置の小型化に加えて、メンテナンス周期の長期化により、当社従来機と比べて消費電力が1/3、ランニングコストが1/2であり、維持費・メンテナンス費が低減できます。つまり、太陽電池を製造するためのエネルギーコストを抑え、原料ガスの使用効率も高めた省エネ設計の製造装置です。

SCI-8SMの特長

1. マイクロクラックとウエハ外観を同時に高速検査

従来は別々の検査装置で行っていた、変換効率や生産中の割れ率に悪影響を及ぼすマイクロクラック(ウエハ内部の細かい割れ)検査とウエハ外形部の割れまたは突起、反射防止膜上のパーティクル、膜厚および分布測定などのウエハの外観検査を、計測時間1秒/枚以下の高速で一台で実施することができます。

2. 膜厚測定の短時間化

従来装置では、複数の標準サンプルを用いて膜厚測定を行うことから、検量線作成等のために検査前に5時間以上の準備時間が必要でした。本装置では、可視光の反射強度から、光学理論を元に独自開発した測定原理を用いて高速に膜厚を算出する手法を開発したため、この準備時間が不要になり、即時に測定することが可能になりました。

SCI-8Sの特長

業界最小サイズ

独自に開発した収差を最小にする光学系により、SCI-8SMと同等の高い機能を保持しつつ、同クラスの従来品の15%(体積比)という小型化に成功し、業界最小サイズの外観検査装置を実現しました。
新設ラインだけでなく、既設ラインの限られたスペースにも追加設置が可能であり、ウエハの品質向上に寄与します。

名  称 結晶シリコン型太陽電池向け反射防止膜成膜用プラズマCVD装置「MCXS」
結晶シリコン型太陽電池向け複合検査装置「SCI-8SM」
結晶シリコン型太陽電池向け外観検査装置「SCI-8S」
システム価格 MCXS : 1億7千万円 (自動移載機含む、税別)
SCI-8SM : 1千万円 (照明電源含む、税別)
SCI-8S : 5百万円 (照明電源含む、税別)
サイズ MCXS : 4000 (W) ×7500 (D) ×2500 (H) mm (装置本体、自動移載機含む)
SCI-8SM : 306 (W) ×310 (D) ×951 (H) mm (装置本体、照明電源含む)
SCI-8S : 193 (W) ×193 (D) ×315 (H) mm (装置本体、照明電源別)
販売計画 MCXS : 20台 (初年度)
SCI-8SM : 15台 (初年度)
SCI-8S : 20台 (初年度)