メタボロミクスは、生命活動により生じるさまざまな代謝物を網羅的に検出・解析し、生体内の生命現象を包括的に調べる手法です。代謝物は、遺伝子情報発現過程の最下流に相当し、遺伝子やタンパク質に比べ、より生体の表現型に近いため、刻々と変動する生命現象が直接的に反映されます。そのため、臨床・医薬・食品・環境・化学等多岐の分野への応用が研究されています。一方、メタボロミクスは、生命科学、有機化学、分析化学、情報科学の複合領域かつ、新領域であるため、技術開発、運用法において発展途上にあります。本共同研究講座では、メタボロミクスを行う上で不可欠な前処理法、分析法、データ解析法や新たに開発した解析プラットフォームを用いたアプリケーション研究及び開発を行っています。
定量メタボロミクスでは、サンプルをホモジナイズして”代謝物の総量”を測定し、群間における差異とその要因となる代謝物候補(マーカー候補)を検出いたします。イメージングメタボロミクスでは、薄切りサンプルを用いて試料上のマーカー候補の分布情報を測定いたします。