島津のダイバーシティ

社員インタビュー

最高の製品を
つくるためには
朝野 夏世
分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部
MSBU ソリューション開発G
開発が好き

朝野夏世さんは2009年の入社。入社12年目になる。
所属は分析計測事業部MSビジネスユニッット。LCMSのアプリケーションケミスト(分析担当者)として、お客様が使う分析メソッドやライブラリを開発、製品化している。

「開発がすごく好きなんです。テーマに沿って自分で起案して製品をお客様に届ける。その中で、共同研究をすることがあれば、海外の販社とのやりとりもあって、一つひとつ知恵を絞ってプロジェクトを進めていく。2つとして同じプロジェクトはないですが、私、ずっと同じことをしていると飽きてしまうので、新しいテーマをどんどん担当させてもらって挑戦し続けていける、その過程で成長し続けていけるという実感が得られるのも、ありがたいですね」

建設中の基盤研新研究棟

大学院では分光学の装置開発を行う研究室に所属し、そこでも分光装置を使った分析を担当していた。学生時代から同じ仕事を続けてきているようにも見えるが、ベテランとなった今はいくつものチームを束ねるリーダーを務めている。プロジェクトのたびに、3~5人のチームを組み、仕事を振り分け、進捗を管理し、製品化に結びつける。

「メンバーには、できるだけ丁寧に説明するようにしています。知る必要ないかなと自分で勝手に判断せず、その人のレベルや状況があるので、お願いする仕事の背景から全部話して納得してもらうようにしています。メンバーには喋りすぎだと思われているでしょうね」

最高のチームの作り方

朝野さんには、忘れられない仕事がある。入社6年目、当時所属していたグループで、超高速トリプル四重極LC/MS/MSシステムLCMS-8060の開発に携わったときのことだ。 「すごくチームの雰囲気がよかったんです。電気、機械、ソフト、アプリ、工場、品証、マーケ、みんながいい装置を出そうと一つにまとまっていました」

世界最高感度と世界最高の検出スピードを両立させる。そんな目標のもと進められたプロジェクト。苦難の連続だったことは想像に難くない。そのチームを束ねていたのが、電気を担当する5年上の先輩社員だった。

「リーダーってすごく仕事が多いのに、そんなことを感じさせることもなく、毎週ミーティングを開いて、全員の意見を丁寧に聞いてくれました。そして、みんなを信頼して、好きなようにやらせてくれた。その気持ちがわかっていたので、その信頼に応えたいと思って仕事を頑張れた。本当にいい循環が起きていたんです」

課題が山積するプロジェクトだったにも関わらず、LCMS-8060はスケジュール通りにリリースされた。それもリーダーのおかげだと断言する。それから6年がたった今も、その先輩社員は、朝野さんが理想とするリーダー像だ。

「いい製品を作りたいと思えば、みんなの力を集めるしかない。どうやって同じ方向を向いてもらうか。どうやってモチベーションを落とさず働いてもらうか。まずはコミュニケーションをしっかりとること。そしてメンバーを信頼すること。自分がやっている姿を見せること。迷った時はいつもその先輩の仕事ぶりを思い出しています」

プライベートでは三児の母でもある。育児休職も3回取得した。リーダーとなってからは、メンバーには産休に入る前に、何かあったら連絡をくれて良いし、アドバイスくらいはするよと伝えていた。
「育休取得の身では指示は出せないし、仕事ができない不安はありましたが、かつての先輩のように自分もメンバーを信頼して任せたいという思いが強くありました。1年という長い期間、コミュニケーションを取りつつもメンバーを信頼できた一番の理由は、普段からいろいろな話をしていたからだと思います。お互いをよく理解しようという積み重ねがあったからです」

2015年に発売されましたLCMS-80602015年に発売されましたLCMS-8060
育休中も会社の仲間とよく交流していました育休中も会社の仲間とよく交流していました
「次、何かないですか」

入社したときからいつか子供を持ちたいという思いがあり、子育てしながらもできるだけ効率よく仕事をするということを頭においてきたという。仕事と家庭での気持ちの切替えや、作業に必要な時間を考えてパズルのように組み合わせることも得意な方だ。
長男が生まれたときも、母親になったからといって、仕事をセーブするつもりは一切なく、早々に保育園を見つけ、育休期間が終わるや、全力でやろうと復帰した。

「ところが、当時は育休から復帰したら仕事をセーブするのが当たり前のような雰囲気。母親だから大変だろうと気を使ってくれるのはありがたかったのですが、『せっかく保育園まで入れて復帰してるのになんで?』と。悔しかったですね」

いろんな人に相談したが、状況はなかなか変わらない。そこで朝野さんは方法を変えた。
「どんな小さい仕事でも、与えられた仕事を片っ端からやりとげて、『終わりました。次何かないですか』」と自らの行動で示したのだ。
最初は悔しかったが、自ら動くことで仕事が増えていくと、自分の行動が足りなかったんだと感じるようになり、その変化とともに周囲の反応も変わっていった。

「それからは、母親であることを意識させられることなく、思ったように働けるようになってきました」
ところが今度は別の問題が持ち上がった。仕事ぶりが評価されて、頼まれることが増え、今度はあふれるようになってきたのだ。

「いろんなスキルを身につけたかったので、なんでもやりますとどんどん仕事を引き受けていたんです。私としては充実していたのですが、チームを率いる立場になると、メンバーの負担まで増やしてしまっていたんだと気がついて。断ることを覚えました。でもその際には、なぜ断るのかの理由を明確に伝えることも大事にしています。こういう状況、こういう時期なら受けられるという勘所もつかめるようになりましたね」

ここで学んだのは、上司ときちんとコミュニケーションを取ることの大切さだ。自分がどういうスタンスで仕事をしたいのかをちゃんと示すことが大事なんだということだった。

壁を取り壊したい

リーダーとしてチームを率い、開発に携わる中で、見えてきた課題がある。

「長年の慣習のためなのか、質量分析装置ひとつとっても、装置開発、ソフトウェア開発、アプリケーション開発、それぞれの担当が縦割りになっているのは課題だなと感じています。このようなグループ間の壁を取って、協力していかなければなりません。本当に使い勝手のいいアプリを作ろうと思えば、アプリのメンバーと装置に組み込むソフトウェアのメンバーが一緒に開発してお客様に提案していくべきだと思うんです。装置にしても、お客様がほしいデータがとれる装置ということを念頭におくなら、アプリケーションのチームと一緒にやっていくべきです。装置を作る時になって初めてメンバー同士が顔を合わせるのではなく、普段からコミュニケーションをとって信頼関係を築いておく。それができれば、性能もスピードも使い勝手も、もっともっとあげられるはずです」

強いチームをどう作るか。朝野さんの言葉に学ぶところは少なくない。

現在所属するソリューション開発グループのLCMSアプリケーション開発担当メンバー 現在所属するソリューション開発グループのLCMSアプリケーション開発担当メンバー
成長し続けたい

朝野さんは、スイッチの切り替えが明確だ。家は家、会社にいるときは会社軸で考え行動している。

大学時代に出会ったご主人とは就職して離れ離れになり、結婚してからも、長男が生まれてからもずっと遠距離生活だったこともあり、子供ができて自分が変われたという。もともときっちりしすぎる性格だったが、優先順位をつけ、諦められるようになった。

「いつか子供が欲しいと思っていましたが、実際には大変。でも子供が好きだったので子育ては嫌ではなく、スイッチを切り替えて、まるでパズルのように時間を組み合わせるのが面白いと思っています。仕事もそう。もしかしたら人生がアプリ開発になっているのかもしれませんね」

これまで、今までにないものや、あまりみんながやりたがらないことを担当することが多かったが、結果的にはそれで良かったと思っている。今でもスキルや幅が広がっていると実感しているからだ。

「挑戦することは本当に楽しい。これからも成長し続けたい」
取材中、朝野さんの口からは、何度もこの言葉が出てきた。

技術者として活躍し、理想のリーダー像を追求しながら、三人の子育ても楽しんでいる朝野さんは、もしかしたら誰もがまねできないスーパーウーマンに見えるかもしれない。
しかし、なんでも楽しそうに話すその姿はとてもおだやかで、プレッシャーを感じることはなかった。そんな朝野さんと一緒にいるだけで、いつの間にか心が軽く、前向きになっていくのを感じた。

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