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番外編:教えてBreakers!!
プロ選手に聞く気持ちの整え方(後編)

matsumoto ari

前編ではSHIMADZU Breakersのプロ選手4人に、普段の生活面にも繋げられる「気持ちの整え方」についてインタビューしました。
後編では選手の経験を基に、緊張した時の気持ちの整え方や自分の気持ちをコントロールする方法について理解を深めていきたいと思います。

プロ選手に聞く気持ちの整え方(前編)

インタビューした選手

  • 桑田寛子

  • 大前綾希子

  • 加治遥

  • 本玉真唯

Q5.試合で緊張した時に、どのように気持ちを落ち着かせていますか?

桑田:普段から妥協せずに練習しておくことで、緊張しても「これだけ練習してきたから大丈夫なはず!」と自分を信じられると思う。
緊張した時にどうするかということよりも、 緊張した時でも戦えるような準備が常にできているようにしたいと思っている。

大前:緊張している時こそプレーが小さくなりがち。普段よりも大きなターゲットを設定し、しっかりラケットを振り切って、攻撃する姿勢を崩さないことを意識している。

加治:以前は緊張することを否定的に考えていたが、緊張することは仕方ないし、「自分は今緊張しているな」と自覚して試合に入るようになった。
緊張している時は心拍数が上がるので 深呼吸をする。無意識にポイント間のペースが速くなるので、サーブの前にボールをつく回数を増やしたり、ゆっくりついたりして間を取ることを意識している。

本玉:体が固まるくらい緊張するので、楽しくプレーすることを意識するとプレーの質が上がる。汗をかくぐらいたくさん動いたり、声を出したりすることで緊張がほぐれる。


ガッツポーズをする桑田選手

筆者(松本)
私も試合前は必ず緊張しますが、ある程度の緊張は悪いことではないと思います。 緊張をうまくコントロールして、「良いパフォーマンスに繋げられるか」が大切だと考えています。
加治選手は、 緊張を受け入れて、その上で深呼吸やルーティンを工夫することで心身を落ち着かせています。
本玉選手も 緊張を自覚して、意識的に動く、プレーを楽しむなどによって、緊張をほぐしています。
緊張を楽しむまではいかなくても、それを コントロールする方法が分かれば、良いパフォーマンスに繋がるのではないでしょうか。緊張を恐れずに受け入れる、そこから始めてみてはいかがでしょうか。

Q6.気持ちをコントロールするうえで、試合での経験から学んだことを教えてください

桑田:良い時の自分は、やるべきことをシンプルに考え、冷静に戦えている。
相手のことより、 自分がやるべきことに集中している。

大前:1ポイント差で先にマッチポイントを握ったタイブレークで、相手のミスを待つ弱気なプレーをしたら、逆に相手に良いプレーをされて逆転負けしたことがある。やっと掴んだマッチポイントで、自分から攻撃することはリスクがあり、勇気も必要だが、安全なプレーを選択して後悔した。
この経験から、同じような場面がきたら、勇気を出してプレーするようにしている。それで負けたとしても、 「勝負したのだから仕方ない」と前向きに考えられるようになった。

加治:不安を持ったままプレーを続けない(プレーに入らない)。過去に不安要素を持ったまま次のプレーに入ってしまい、どんなプレーがしたかったのかと自分でわからなくなる経験をした。これでは、そのプレーから気づきは生まれない。再び同じような場面に遭遇したときに、「〇〇の時は失敗したから次は☓☓を試してみよう」というような選択もできなくなってしまう。
気持ちの切り替えをしっかりとやって、前向きに考えることができれば、ポイントを落としても次に繋げていくことができる。

本玉:「なぜポイントを落としたのだろう」などといったように、「なぜ」という言葉が多くなってしまうと、落としたポイントに固執してしまい、次のポイントへ前向きに進むことができなくなってしまう。なるべくそのようには考えないように意識している。
前向きに試合を進められているときの方が、負けていても良いプレーができる。


ダブルスで作戦を話し合う加治選手(左)と大前選手(右)

筆者(松本)
私は、大前選手の 「勇気を出してプレーする」に共感しました。安全策とリスクがある策の2つの選択肢で迷った時に、自分の選択が失敗だったとしても、得られる課題や気づきがあれば、前向きに捉えることができます。また、本玉選手は上手くいかなかったプレーの原因にこだわらないようにしています。「ミスの理由」にとらわれすぎても次のポイントへの切り替えが上手くできません。失敗から得た経験はとても貴重で、そこから学ぶこともたくさんあります。一方で、スポーツの緊迫した場面などでは、失敗を恐れず前向きに物事を進めていくことも大切ですね

Q7.長期にわたって試合に出場できない時期はどのようにモチベーションを保っていますか?

桑田:準備していることがいつか始まる試合に繋がると信じて、自分が今できることを毎日やっていく。

大前:先の見通しが立たない状況に対して「疲れたな」と思うときこそ、リフレッシュすることを大事にしている。がむしゃらにやっても、良い方向に行かない。試合の再開が決定した時に、試合までの期間(私の場合は2か月間)でしっかり練習すれば良いパフォーマンスができると思っている。それまでの期間は、最低限の練習とトレーニングはするけれど、根を詰めたことはしない

加治:目標に向けて、長期間だからこそできる課題に取り組む。一つ一つの課題に時間をかけて、落ち着いて自分と向き合う。モチベーションが下がることはなく、休むときは休んで、オンとオフを使い分けるようにしている。
誰かと話をしたり、他の選手の練習やトレーニングの状況を確認し合ったりして、刺激をもらうことがモチベーションの一つになっている。

本玉:試合が再開された時のスタートダッシュを意識している。試合が始まった時に「誰よりも進歩していたい」という思いがモチベーションとなり、練習とトレーニングに励むエネルギー源となっている。


試合を楽しむ本玉選手

筆者(松本)
試合ができない時、私はモチベーション維持のためイメージトレーニングをしています。自分の試合のビデオを見返して、プレーのイメージを思い出すことで、試合の運び方や気持ちをどうコントロールしていたか再確認することができます。
そうすることで、「試合で勝つためにまた頑張ろう」と、気持ちを奮い立たせるようにしています。 本玉選手は、 「進歩したい」という思いがモチベーションの一つになっているそうです。常に前向きな本玉選手らしいですね。「自分が今やるべきことをやる」という桑田選手のシンプルな考え方はモチベーションの維持に直結している気がします。
大前選手や加治選手のように リフレッシュを大切にする、ということも重要です。心身の疲労はモチベーションの大敵になります。

それぞれの選手の話を聞いてみて共通することは「とらわれない、受け入れる」ということに思えます。物事にとらわれ過ぎると、それは緊張を生み出し、気持ちの整理の妨げになります。そうならないためには、物事を受け入れて、普段の生活から自分の気持ちをよく理解することが大切です。自分に合った気持ちの整え方や、目標を達成するためのモチベーションの維持の仕方を見つけられると良いですね。