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番外編:教えてBreakers!!
プロ選手に聞く目標の立て方(後編)
目標の評価と目標を再設定する時に意識していること

oshino suzuho

前編ではSHIMADZU Breakersに所属するプロ選手4人に、目標設定の重要性や目標の設定方法についてインタビューしました。後編では、達成度の評価や目標を再設定する時に意識していることを聞きました。

プロ選手に聞く目標の立て方(前編)目標設定の重要性や目標の設定方法についてはこちら

インタビューした選手

  • 桑田寛子

  • 大前綾希子

  • 加治遥

  • 本玉真唯

Q5.目標の達成度はどのように評価していますか?

桑田:試合の結果やランキングが達成度を確認する上で一番わかりやすいと思う。プレーの内容は自分だけで評価できない部分なので、コーチと話すようにしている。内容に関しては、はっきりとした達成度は確認しづらいが、振り返りを大切にしている

大前:評価は自分ではできないと思っていて、コーチなど第三者からの評価を一番重視している。技術的なこと、成績のことを含め、コーチと話し合うようにしている。

加治:評価する上で、目標としていたランキングをクリアできているかが一つの指標であると考えている。目標が達成できていなくても、第三者の意見を大切にしながら、それまでの練習やプレーの内容の評価も行っている

本玉:私も結果にとらわれてしまうことが多いが、たとえ負けたとしても練習でやってきたことができていたら「次につながる」ということをコーチと確認している。昨年は全日本選手権で優勝して一つの目標を明確にクリアしたと評価できたが、勝てない時でも、その試合で何ができたかを振り返るようにしている。

筆者(押野)
プロ選手たちは、戦績やランキングは目に見える結果であるため評価しやすいのに対し、プレーの内容については自分だけで判断することが難しく、コーチや第三者の意見を大切にしていました。結果はもちろん大事ですが、そこまでの過程や内容の振り返りもコーチと丁寧に行っているようです。スポーツに限らず、自身で評価しにくい内容は、周囲の人の意見を参考にすると改善のための具体策が見えてくるかもしれませんね。
それでは、評価の後に目標を立て直す時は何を意識しているのでしょうか。

Q6.達成度の評価後、目標を再設定する時に考えることは何ですか?

桑田:プレーの内容に関する目標については、できないことをやろうとしすぎると、自分のテニスが大きく崩れてしまうことがある。その時は、一段階前の、自分ができる範囲の目標に変えることが必要。結果の方も同じで、達成が無理そうな大きすぎる目標はもともと立てないようにしている。今の自分の状況と照らし合わせて見直すようにしている。

大前:世界レベルと自分のレベルを照らし合わせながら目標を決めることも大事だと思う。年々テニス界はハイレベルになっていると感じる。それに対して同じことをしていても、通用していたものが通用しなくなるのは目に見えている。例えばWTAツアー(女子テニス協会が管理、運営しているグレードの高い国際大会)に出場して大敗したときに、そこで感じた課題を当たり前にできるようにしていくのが一番良いと思う。自分のレベルとトップのレベルを考えながら目標を再設定している。

加治:前の年や、それまでの評価や結果を含めて、ランキングの目標順位をはっきりさせるようにしている。あとは、賞金総額2.5万ドル大会でコンスタントに勝ってランキングを上げるためには、賞金総額6万ドル大会やもっと上の大会に挑戦して、戦うレベルを上げることも大切になる。ランキングが上がればWTAツアーにも挑戦していける。うまく見極めながら出場する大会を決めている。現状維持ではだめなので、今より上で戦うためにはどうするか、繰り返し練っていく。どう自分を高めていけるか常に考えることが一番大事。

本玉:一つ目標を達成した後に次の目標を難しいものにするとモチベーションを保つのが難しくなるので、ちょっとステップアップしたものを目標にしている。まだITFツアー(国際テニス連盟が管理、運営している国際大会)での優勝経験がないので、まずは優勝を目標としている。達成できたとしても次はもう一度同じグレードの大会で優勝するとか、少しずつ成長できるような目標の立て方をしている。

筆者(押野)
桑田選手と本玉選手は上手くいかなくなったり、モチベーションを維持することが難しくなったりするなどの理由で、あまり大きな目標を設定しないそうです。自分のやる気を引き出すために「目標の大きさ」についても考えるべきでしょう。
また、選手は世界基準のランキングで戦っている以上、大前選手のように世界と自分のレベルを比較すること、加治選手のように戦うレベルを上げていくことも重要になります。仕事や日常生活でも、新しいことへの挑戦やいつもより少し難しいことに取り組むことで、成長するきっかけが得られるかもしれません。
モチベーションの維持に重きをおいた目標、ストイックに高みを目指した目標、選手によって取り組み方は異なりますが、どちらも心身のバランスを考えながら取り組むことが重要なのだと思います。

Q7.日々の練習でも目標は決めていますか?

桑田:全然具体的ではないが、毎日その時できる100%を出そうとか、今日できることは絶対にやりきろうと決めている。具体的なことは毎日変わったりするが、気持ちの面ではそう思ってやっている。

大前:その日取り組むことは絶対にコーチと話し合う。今(2020年5月時点)はコロナウイルスの影響で長期間試合が無いのでサーブを改善している。それを成果として出せるのは試合しかないが、試行錯誤しながら取り組んでいる。試してもだめなこともあるし、はまらないものも当然ある。その日やってみてこれははまる、これははまらないというのを判断して切り捨てて、良いものだけを吸収する作業をしている。練習では目標というより、取り組みや課題と捉えてコツコツ続けている。

日々小さな目標があるとイメージしていたが、目標という捉え方はしてないということですね?

例えば、かなり息切れするので息切れしないためにランニングを続けるとかそういう目標は立てられるが、テニスの技術になったら難しい。自分のテニスの形はできあがっている。できあがっているものに少しずつ足していく作業だと思うから、目標と聞かれたら答えが難しい。

加治:直したいと思っているものに対して、これで合っている、これは違うなど毎日試行錯誤している。まずは基礎の球出し練習から入って、その後にラリーをして…。ラリーでうまくいかなかったらまた球出しに戻ってという繰り返し。

本玉:桑田さんと同じく、その日の100%を出すようにしている。朝起きて疲れが溜まっていると感じたら、短い時間でも良いからしっかり動こうと決めている。私は練習中にイライラしてしまうこともあるので、それを出さないようにするなどちょっとした目標を設定している。

筆者(押野)
桑田選手の話す「その時できる100%を出す」ということは、どんな状況、調子でもベストを出し切る、というメンタルトレーニングの要素もあるのだと思います。練習への取り組みに関しては、技術面の「課題」をクリアするために、努力や工夫を積み重ねて、その結果、自分の掲げている目標をクリアしていく、その繰り返しのように感じました。

ここまで、テニスに関しての「目標設定」や「目標の立て方」について質問してきましたが、仕事や他のスポーツにも共通している部分が多々あるように思います。
夢や目標があるとワクワクしますよね!モチベーションややる気を引き出すために、自分に合った方法で目標を設定してみてください。この記事がその方法を見つけるためのヒントになれば嬉しいです。