For Your Winning!

どうウォーミングアップすればいいの?②
~股関節の動的ストレッチ編~

Suzuho Oshino

私たちが普段のウォーミングアップで行う「コンディショニングメニュー」を以前のコラムでご紹介させていただきました。実践されている方は体の可動域や柔軟性に変化がでてきているのではないでしょうか。

今回は、私たちが「コンディショニングメニュー」の次に行う「股関節の動的ストレッチ」についてまとめました。

動的ストレッチとは?

ストレッチは大別すると動的ストレッチと静的ストレッチに分けることができます。一般的に動的ストレッチは運動前、静的ストレッチは運動後や就寝前に行うのが良いとされています。

動的ストレッチは、体を動かして筋肉を刺激しながら関節の可動域を広げて柔軟性を高めるストレッチです。心拍数や体温を上げることができるので、運動前に適したストレッチとなっています。

運動前に可動域を広げて柔軟性を高める理由は、怪我の予防や多様な動きを可能にするためです。例えば、相手がいるスポーツでは、自分が想定していない体の動かし方を必要とする場面が多々あります。関節の可動域が狭いと急な動きや意図しない体勢への対応が難しくなり、負荷に耐えられず怪我のリスクが高まります。

股関節の動的ストレッチ動画

テニスでは、下半身のパワーを打球に伝えることが大切です。股関節の可動域を広げて、スムーズに体を動かせるようにしましょう。他の競技においても股関節の柔軟性はパフォーマンスに影響するはずです。ぜひ試してみてください。

股関節の動的ストレッチメニュー

■ 四股揺らぎ

  脚を肩幅よりも大きく開き、できるだけ腰を落とす。左右に重心を移動させるのに合わせてつま先を上げ下げして体を揺らす。
  足首を掴んで同様の動作を行う。

■ 四股+膝伸ばし
四股揺らぎの姿勢で、足首を持ったまま膝を伸ばしてお尻を高く上げる。3秒キープして、もとの姿勢に戻す。これを3回繰り返す。

■ リザードストレッチ

  片脚を大きく前に出し、膝を曲げて腰を落とす。前に出した脚と同じ側の肘を地面につけ、逆の手で体を支える。肘がつかない場合はできるだけ地面に近づける。そのまま後ろ脚の膝を上下にリズム良く10回動かす。
  肘を地面から離し、内側から前に出した脚の足首を掴む。そのまま後ろ脚の膝を回すようにして体を動かす。時計回り、反時計回りに5回ずつ動かす。
  足首から手を離し、そのまま腕を上げて胸を大きく開く。開ききったところで3秒キープして戻す。これを3回繰り返す。目線は手に向けて、顔も一緒に動かす。
  前に出している脚を内側に倒す。倒している膝の外側に反対側の肘をつけて10秒キープする。肘がつかない場合はできるだけ近づける。
  両手を脚の前につき、胸を近づけて上下に10回動かす。

■ 前屈

  立った状態で前屈する。上下に動きをつけながらまずは前方向に。その後左右も同じ動きで5回ずつ行う。
  前屈したまま腕の力を抜き、左右に体を振る。

■ 伸脚+股関節回旋
深く伸脚し、反動を使って上下に3回動かす。その後、曲げている脚を支点に体をひねって逆側を向く。そのまま3秒キープして伸脚に戻る。これを3回繰り返す。

■ 前後開脚
前後に大きく開脚して数秒キープする。その後、前にある足のかかとを支点につま先を前後させて体を動かす。

■ 股関節内・外旋
立ったまま片脚を上げ、膝を支点にしながら左右に脚を振る。

まとめ

運動を始める前のストレッチは動的ストレッチがおすすめです。以前紹介した「コンディショニングメニュー」にも動的ストレッチが多く含まれています。ウォーミングアップの時間を確保し、怪我なく楽しくスポーツを続けていきましょう。

運動習慣が無い方は特に体が硬まっていることが多いので、股関節の動的ストレッチで関節をほぐしてみてはいかがでしょうか。

【Breakersを指導するトレーナー・横山正吾さんからのアドバイス】

島津製作所テニスチームのウォーミングアップでは動的ストレッチをメインに行っています。

ウォーミングアップは文字通り身体を温め、これから行う練習やトレーニング、試合にスムーズに入っていくためのものです。ウォーミングアップで行うストレッチは、筋肉や関節、神経系を刺激することによって関節の可動域を広げ、ケガを予防し、パフォーマンスを向上させるという目的があります。次の動きに繋げるために行うという観点からも、動きを止めて行う静的ストレッチと比較し、動きを伴う動的ストレッチがウォーミングアップに適していると言えます。

股関節の動的ストレッチを重点的に行う理由をご説明します。

人間の関節は、動きを伴う可動性(モビリティ)のために使われる関節と、安定性(スタビリティ)のために使われる関節に大きく分けることができます。可動性のために使われる代表的な関節は動きの大きい肩関節や股関節など、安定性のために使われる関節は動きの少ない腰部などです。関節の役割が違うことから、ウォーミングアップの中でも、それぞれの関節に合ったアプローチが必要になります。

股関節は可動性の関節ということで、今回紹介した動的なストレッチを行い、しっかりと「動く」状態にしていくことが大切です。

逆に、安定性に適した腰部の関節などは、バランスボールに関するコラムでご紹介したように、体幹部分の「安定」を図るためのメニューを行うと効果的です。

端的に言うと、動くところをしっかりと動くように、安定させるべきところはしっかりと安定するようにウォーミングアップから取り組んでいくことが重要になってきます。ぜひ股関節の動的ストレッチを日常のルーティンに取り入れてみてください。

横山正吾トレーナーのプロフィール

大阪社会体育専門学校 アスレティックトレーナーコースを卒業後、フリーインストラクターを経て、現在はテニス選手のトレーニング指導を中心に活動中。グランドスラムに出場するプロ選手から、大学、高校のテニス部、キッズまで幅広く指導。2016年から「SHIMADZU Breakers」の社員選手のトレーニングやコンディショニングを支えている。

資格
日本スポーツ体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング)協会認定パーソナルトレーナー
日本体育協会公認フィットネストレーナー
その他
日本オリンピック委員会強化スタッフ