低侵襲カテーテル治療支援への取り組み

患者さんに負担の少ない治療を目指して。

人生100年時代が語られるようになった今、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らせる社会をつくることが課題となっています。その根幹となるのは、QOLを維持して日常生活を送れる健康寿命の延伸です。医療の現場においても負担の少ない検査や治療の進歩が不可欠で、それを支える技術や装置の開発は重要です。

島津製作所のX線撮影装置も例外ではありません。わたしたちは患者さんはもちろん、医療従事者の負担を減らすことを常に考えています。
1909年に日本初の医療用X線装置を開発したSHIMADZU。これまでも、これからも、私たちは人にやさしい技術や装置で医療を支えていきたい、その思いを胸に技術革新に努めています。

ここでは、急速な高齢化や心疾患の増加を背景に、近年注目されている血管内カテーテル治療とそれを支える低侵襲なX線撮影技術についてご紹介します。

心疾患はがんに次いで、日本人の死因第2位

心疾患を患う方が、年々増えています。
2016年の調査によれば、心臓病が原因でなくなった方は、死因の15%を占め、がんに次いで多くなっています。

  • ※ 厚生労働省平成30年「我が国の人口動態」より

人口の高齢化と生活習慣に原因

人は血管とともに老いると言われ、年齢とともに、血管はしなやかさや血管の内側のなめらかさが失われていきます。
心臓の中で逆流を防いでいる弁の働きも低下して、ポンプとしての機能が弱まっていきます。
加えて食の欧米化や運動不足などによって生活習慣病を患うと、血管の老化に拍車がかかります。

糖尿病や高脂血症などの生活習慣病は血管の老化を加速させることが明らかになっています。心疾患の予防のためにも健康的な食事や運動の習慣づけが重要です。

体にやさしい血管内カテーテル治療

心疾患の治療で近年、注目されているのが「血管内カテーテル治療」です。
太ももや手首につくった小さな穴から、カテーテルという細い管を、血管経由で心臓へ送り、血管の内側から患部を治療します。
胸部を大きく切開する外科手術に比べて、患者さんの体への負担が少なく、高齢で体力が低下している患者さんも治療できます。

X線撮影にもやさしさを

カテーテル治療の鍵を握るのが、血管を映し出すX線撮影装置です。
カテーテルの先端から造影剤を注入しX線を照射すると、モニターに血管やカテーテルの様子がくっきりと浮かびあがります。
X線撮影装置の性能向上にともなって、より高度な治療にも対応できるようになりました。

しかし、X線は大量に浴びると体の組織を傷つける恐れがあります。
また、造影剤の注入による副作用も報告されています。
より短時間、より弱いX線で撮影できる低侵襲のX線撮影が求められています。

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