生産管理
分析計測工場 製造推進課
工学部 システムマネジメント工学科
辻中 陽子 / 2009年入社
2012年度から2年間、海外現場研修制度の第一期生として、中国の蘇州にある島津儀器(蘇州)有限公司へ派遣されました。海外現場研修はこの年から始まった制度だったので多少の不安もありましたが、海外で働くのは夢だったためチャンスを逃したくないと応募しました。結果、この中国での経験は、私の人生においてとても貴重な財産となっています。 派遣先では、製造基幹システムの導入や物流改革、棚卸削減に取り組みましたが、最初は生活習慣の違いから仕事の進め方、時間の感覚まで、日本と何もかもが違い大きな衝撃を受けました。 広大な国土を持ち、中国4000年の歴史と言われるだけあって、中国の人々は物事に対して寛容です。中国語で”差不多”という言葉がありますが、日本語では“ほとんど同じ”、“大差ない”という意味になります。図面と部品を見比べて、「差不多!」「真的吗!?(本当に!?)」「差不多!没问题!(ほぼ一緒だよ!問題ないよ!)」「・・・。」こういうやりとりを何度したか分かりません。
言葉の壁もあり、コミュニケーションには苦労しました。しかし、いろんなことにチャレンジできる研修生という立場を活かし、様々な人と積極的に関わっていきながら信頼関係を築いていきました。最初は、あまりの感覚の違いに「もう私はここでやっていけないんじゃないか」と絶望すら感じることもありましたが、「なぜこんなことを言うのだろう?」と相手の発言の理由を知ることで、理解が出来るようになりました。日本人と中国人は“違う”ということを理解し、受け入れることで、現地に合わせた方法を提案できるようになり、また現地スタッフと信頼関係を築くにつれて連携もスムーズになりました。相手の立場に立ち、相手を理解し、相手に納得してもらった上で気持よく仕事を進めてもらうことの大切さを身をもって学びました。この経験は日本へ戻ってからも大いに活きています。
私には、研修を終えて叶えたい夢ができました。それは新興国での生産拠点立ち上げに携わること。現在は女性の海外駐在員がまだいないので、その道筋を切り拓きたいと思っています。
海外現場研修は、私の人生の楽しみもつくってくれました。他の国も自分の目で見たい、その国の人がどんな考えを持っているのか知りたいという想いが強くなり、今では海外旅行が一番の趣味に。暇があれば気になる国の情報を収集し、プランを練って楽しんでいます。また、旅先では自分の言葉で現地の人と話したいので、中国語のブラッシュアップに加え、英語・フランス語を勉強中。マルチリンガルを目指して語学の習得に励んでいます。いつか仕事でも活かせる時がくることを楽しみにしています。 最後に、就職活動中の皆さんへ。就職活動期間は様々な分野の企業を見ることができる最初で最後のチャンスです。自分の可能性を広げるためにも、学生時代の専門分野に限定せず、多くの会社を見ることをおすすめします。私自身、医療機器メーカーを志望しながら、少しでも興味を持った会社はどんどん見て回りました。そのおかげで選択肢が広がり、納得できる結果にも繋がったと感じています。どうぞたくさんの会社と出会って、一生働きたいと思える場所を見つけてください。
何事にも熱心に取り組む姿勢が、
見ている人に良い刺激を与えてくれる
持ち前の明るさで、いつも周囲を笑顔にしてくれる辻中さん。
そんな彼女は、中国での海外現場研修から帰任した後も、中国語の勉強を継続しています。同時に、フランス語の習得や品質管理検定の1級合格も目指す頑張り屋。何でも積極的に取り組むバイタリティー溢れる姿は、いつも周りの人に良い刺激を与えてくれます。
今後もより適確な判断力と素早い行動力を身につけて、当部署のミッションを達成していってもらいたいと期待を寄せています。
分析計測事業部 課長 仲川 浩史