週刊科学の冒険
【vol.9】 2次元から3次元へ
家も、骨も、プリンターで作れる?
大学生のみなさんは、授業のレポート作成の時にプリンターにはよくお世話になっていますよね。そんな、私たちの身近にある「プリンター」が、1人のアメリカの少年を救いました。といっても、これは最近話題の「3Dプリンター」の話。
病気の影響で先天的に右手の指がない3歳の少年Rayven君に、日常生活の不便を解消するためにある団体が3Dプリンターで義手を製作してプレゼントしました。自分の手の形にぴったり合った可動式の右手を手に入れたRayven君は大喜び。しかも、通常4万ドルくらいの作成費が、3Dプリンターを使えばたったの50ドルで作成できるんだそうです。これまでは、成長に合わせて新たな義手が必要になる子供には高価な義手の作成はとてもハードルが高かったのですが、これがこんなに安く作れるとなると、成長期の子供にとってもその家族にとってもすごく嬉しいニュースですね。
ご存知の通り3Dプリンターは、立体データをもとに樹脂や金属を加工する機械。形あるものなら何でもプリントできてしまう理屈ですが、それにしても、楽器や人工骨のように高い精度が求められるものまでOKとなると驚きです。その普及に合わせて、ポルシェの車体や、スミソニアン博物館の展示物が一般にデータ配信されたことも話題を呼びました。
最近では、十数万円で買える汎用型を家電量販店で見かけることもある3Dプリンター。しかし、その使いみちについては、まだまだ世界中で研究が続いています。家のパーツをプリントすれば、災害時にすばやく仮設住宅を用意できるかもしれない。食肉を安く量産できれば、食糧問題の解決に役立つかもしれない。とりわけ注目されているのが健康・医療分野。先ほど挙げた義手や人工骨はもちろん、人工血管、さらには超ミニサイズの肝臓まで試作が成功しているそうです。3Dプリンター製の器官や臓器の移植によって、命が救われる日もそう遠くはないのかもしれません。2Dから、3Dへ。奥行きが加わるという進化によって、医療は劇的に変わろうとしています。そして島津もまた、奥行きをつくる技術によって、医療の進歩にひと役買っているのです。
技術もレントゲンも、奥行きが決め手。
レントゲンを撮った経験はありますか。レントゲンは通常、一回の撮影につき、一枚の二次元画像です。島津はそこに、数十枚もの断層画像をいっしょに得られる「トモシンセシス」というアプリケーションを付け加えました。同じように断層を見るCTスキャンに比べ、被ばく量は1/10。さらに、断層撮影の宿命といわれていた「アーティファクト」と呼ばれる画像の乱れを最小限に抑えることにも成功。これまでにない鮮明さで、患部の様子を確認できるようになったのです。
特に人工関節を用いた治療において、アーティファクトは医師の悩みのタネでした。人工関節の画像はアーティファクトが発生しやすく、術後の経過をじっくり観察することが難しかったのです。高齢化社会の到来とともに、人工物を体内に入れる治療が増えている今。島津の技術が、ひとつの光明となったといえます。島津といえば、検査装置のようなハードウェアの会社と思われがち。しかし、ハードウェアの力をとことん引き出すソフトウェア=アプリケーションの分野でも、ほかにはない技術を絶えず磨き続けています。だからこそ島津のソリューションは、一面的ではない、奥行きのあるものとして高い評価を受けているのです。
発行: 株式会社島津製作所
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