週刊科学の冒険
【vol.5】 中まで見える顕微鏡
知能指数は、見た目でわかる?
あけましておめでとうございます。
初夢、見ましたか。正月の2日にどんな夢を見るかは、昔から日本人の大きな関心ごとでした。室町時代の言い伝えに、こんなのがあります。

「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 浪乗り船の 音のよきかな」。

これを3回となえてから寝ると、いい初夢が見られるそうです。なんでも、七福神の絵によく添えられている短歌だとか。同時にこれは、逆から読んでもまったく同じ、回文にもなっています。よくできていますね。それでは、もうひとつ。

「世の中ね。顔かお金かなのよ」。

これまたよくできています。感心しつつも、胸がざわつきます。全力で否定したくなります。顔じゃない、中身だ!
そんな思いを打ち砕くような研究結果が、イギリスで発表されました。1万7000人あまりを対象にした調査で、ルックスがいい人は、そうでない人に比べてIQが高い傾向が認められたのです。その差は、男性で平均13.6ポイント、女性で11.4ポイント。見た目で人を判断するな、とはよく言われますが、IQに関していえば、ルックスからなんとなく判断できてしまうことに。もちろん、IQの高さが内面の魅力につながるとはかぎりませんが、それにしても、なんでこんな調査したんだろう。
反対に、外見が内面を左右しているのだ、という研究もあります。欧米には「ブロンド女性は聡明さに欠ける」という俗説があります。もちろん何の根拠もない、ジョークに近いもの。ところがある調査では、実際にブロンド女性のほうが問題を解く時間が遅い、という結果が出ました。ただ、この調査にはカラクリがあります。被験者にはあらかじめ、ブロンド女性の知性に関する差別的なジョークが伝えられていました。世間が持つ印象を強く刷り込まれた結果、ブロンドの被験者は慎重になりすぎて、問題を解くのが遅くなったというわけ。つまりこれは、外見に対する周囲の反応が、当人の内面にどれくらい影響するかを確かめる実験だったのです。もし、「ブロンド女性は知性が高い」という俗説があったなら、結果はまったく違ったのかもしれません。
ルックスという言葉が指すものはさまざまです。しかし、自分に自信があったり、成果を残している人ほど、輝いて見えるのも確か。美しくなりたいなら、まず、中身を磨くことから。この定説は、永遠に変わらないのかもしれません。
外も内も、あっという間に丸見えに。
さて、分析や計測の分野においても、「外」と「内」の両方が大切です。たとえば病気の発見。まず、生体試料の形態、つまり「外側」を見ます。それから、構造という「内側」を見ます。一連であるべきこの観察ですが、これまでは別々の装置によって行われてきました。その過程で、試料の破砕や抽出も必要でした。そのため、試料がどんな形をしているか、どんな分子が含まれているかをバラバラに知ることはできても、ある形態の中で、分子がどのように分布しているかまでは測れなかったのです。この問題を解決したのが、島津のイメージング質量顕微鏡「iMScope」。光学顕微鏡と質量分析計の機能を併せ持ち、形態と分布、ふたつを重ねあわせた画像を生成。それを調べることで、より早く、より正確な研究が可能になります。今後は、難病の早期発見や、新薬の開発に力を発揮することが期待されています。外見も内面も、たちどころに丸わかり。ルックスや人間性の話ならちょっと腰が引けますが、こういう使い方なら、大歓迎です。
発行: 株式会社島津製作所
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