週刊科学の冒険
【vol.4】 掌に宇宙を
スマホは、宇宙でつくられた?
宇宙ステーション補給機、略称「HTV」をご存じですか?愛称の「こうのとり」は聞いたことがある人も多いかもしれませんね。高度約400km上空の軌道上にある国際宇宙ステーション(ISS)に、最大6トンの必要物資を届ける輸送業務を担う無人宇宙補給機です。実はこれ、Made in Japanなのです。しかも、その優れた機能性に対して国際的にも高く評価されています。日本の技術が宇宙でも活躍しているなんて、こっちまで誇らしい気分になりますね。

ところで、ISSって何をするところでしょうか。ひらたく言ってしまえば、地上400kmにある「無重力研究室」です。地上とはまったく違う、特殊な空間である宇宙。そこでしかできない、さまざまな分野の実験が日夜くりひろげられています。たとえば、スマートフォンやパソコンを動かしている半導体。宇宙には重力も、空気の対流もほとんどありません。そのぶん、材料が均等にまざり、高品質な半導体結晶をつくることができます。すでに頭打ちといわれている半導体の高性能化ですが、宇宙での実験結果をフィードバックすることで、飛躍的に技術が進む可能性があるのです。
……と、ここまでは未来に向けた話。実は、わたしたちが現在進行形で使っている半導体も、宇宙とほんのちょっと関係があります。その製造現場は、まるで宇宙をお手本にしたような環境なのです。キーワードは、真空。
地上に、小さな宇宙をつくる。
半導体はとてもデリケートです。製造には、空気中の気体分子をとりのぞいた真空空間が不可欠。しかもそこに、不純物はかぎりなく少なくなければいけません。これらの条件を突き詰めていくと、宇宙こそが理想的。とはいえ、半導体をつくるために、毎回、宇宙に行くわけにもいきません。 そこで生まれたのが、島津のターボ分子ポンプ。気体分子を徹底的に排出し、真空を生み出します。冷蔵庫サイズ(500L)の空間であれば1時間で、地上約300kmクラスまで。ISSがある宇宙空間に匹敵するハイレベルな真空状態をつくりだすことができます。 てのひらサイズのスマートフォン。けれどその中身は、広大な宇宙とよく似た空間で生み出されている。星のよく見える冬にふさわしい、ロマンあふれるお話でした。
発行: 株式会社島津製作所
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