週刊科学の冒険
【vol.10】 チョコのくちどけ定量化
「手づくりチョコ」は、手づくりではない?
明日は待ちに待ったバレンタインデー。
ある製菓会社の調査によると、女性がチョコをあげる相手の1位は「女友達」だそうです。あれ? バレンタインって告白イベントじゃなかったっけ? あらためてランキングを確かめると、「告白したい男性」はなんと最下位。渾身の手づくりチョコは、女性同士の間を行き来していたんですね。どうりでこっちに回ってこないわけです。

さて、その「手づくりチョコ」。いくつかレシピをのぞいていて、気になることを見つけました。どれも材料のところに「チョコレート」と書いてある。あれ? つくってない。チョコそのものを買ってきて、溶かして、固めている。果たして、これを手づくりと呼べるのか。
しかし、聞いてください。チョコを1から家庭でつくることは、実はこの上なく難しいことなのです。

チョコの生命線は、口どけにあると言われています。あのなめらかさを出すには、人間が粒として感知できないところまでカカオを砕かなければなりません。そのサイズ、25ミクロン以下。ちなみに、日本人の髪の太さは平均80ミクロン。どれほどの細かさか、おわかりいただけると思います。なんとかやりとげたとして、さらなる難関が待ち構えています。それは「コンチング」という工程。風味を出しつつ、よりなめらかにするために練る。ひたすら練る。海外の有名ブランドでは、丸3日間ぶっつづけでやるそうです。家庭では、ちょっと難しそうです。 かといって、材料用のチョコを買ってきてつくる場合でも、油断はできません。固めるときの温度調整をわずかでもミスると、結晶が安定せずなめらかさが失われます。手づくりチョコの失敗は、ほとんどが温度調整の失敗。それほどデリケートなのです。
これをお読みのあなたが、明日、手づくりチョコをもらったら。ぜひ思い出してください。手づくりへの挑戦は、深い思いがなければできないものだ、ということを。そうすれば、チョコがちょっと硬かったりしても、まったく苦にならないはずです。
食を測ることは、食をつくること。
チョコの口どけを左右する「なめらかさ」「コク」。これも、島津の計測装置ならたちどころに数値化できます。ほかにも「コーヒーの香り」「カマボコの弾力性」「モチの流動特性」……どれも感覚的なものばかりに思えますが、人によって異なる五感に頼っていては、できあがりが安定しません。必要なのは、みんなが共通して使えるモノサシ。数値化による「基準づくり」は、そのモノサシがわりといえます。高級レストランでは、ベテランシェフによる味見が品質を守る砦。食品メーカーでは、計測機器がその役目を果たしています。 生産現場だけではなく、研究開発においても島津は大活躍しています。最近は、高齢化社会を見すえた開発がさかんです。噛む力、飲み込む力の弱まった高齢者でも安全に食べることができ、しかも栄養価の高い食品。その製法づくりに一役買っているのです。食は生きることの基本。その食を「測る」ことは、人の暮らしそのものに、深く関わっていくことでもあります。
発行: 株式会社島津製作所
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