島津評論 Vol.74[3・4](2017)
特集 センサ・デバイス

特集論文

広帯域もつれ光子対発生用周期分極反転素子の開発

久光 守1井上 和哉1門倉 一智1徳田 勝彦1

島津評論 74〔3・4〕 127~134 (2018.3)

要旨

島津製作所では,レーザの波長変換用途に周期分極反転型波長変換素子の開発・製造を行っている。この分野で蓄積した技術を基礎として405 nm 帯のポンプ光にチューニングされたスラブ導波路型のもつれ光子対発生素子を作製した。本素子が利用される量子OCT(Optical Coherence Tomography)では,もつれ光子対の広帯域化が必要であるため,周期分極反転パターンはリニアチャープ形式を導入しそのチャープ率α は0,3,6.7,10%とした。本素子は,京都大学の竹内繁樹教授がリーダーとなって進めているCREST(Core Researchfor Evolutional Science and Technology)研究プロジェクト「大強度広帯域周波数もつれ状態の実現と応用」に利用される。導波路化による変換効率の改善によって大強度な広帯域周波数量子もつれ光子対の発生とそれに伴う量子OCT の高速化が期待される。


1デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。