島津評論 Vol.69[3・4](2012)
特集 先端技術開発

特集論文

HPLC-PDAシステムにおける微分スペクトルクロマトグラム法“i-PDeA”の開発

水戸 康敬1三嶋 賢一1鎌田 悦輔1川嶋 美帆2柳沢 年伸3

島津評論 69〔3・4〕 271~284 (2013.3)

要旨

高速液体クロマトグラフ(HPLC)用フォトダイオードアレイ検出器(PDA)の新しいデータ処理として微分スペクトルクロマトグラム法“i-PDeA”を開発した。測定される各時点での紫外可視(UV-Vis)吸収スペクトルに微分処理を施して得られた微分スペクトルの特定の波長の値を時間方向にプロットする微分スペクトルクロマトグラムを利用することにより,未分離ピークを分離することが可能となった。微分スペクトルクロマトグラムの持つ高い選択性により,予期しない不純物の混在を検知,および同時に溶出する妨害成分の影響を除去し目的成分のみを定量することが可能である。本稿では微分スペクトルクロマトグラムの理論を数学的に定式化するとともに,標準試料を用いてその基本性能を検証したので以下に詳細を報告する。


1分析計測事業部 技術部
2分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター
3分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部LCビジネスユニット

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。