溝の断面形状が鋸歯状である回折格子(ブレーズド回折格子)は、特定の次数と波長に対して高い回折効率を示すという特長をもっています。
図5 に示すように、光が反射型の回折格子に角度αで入射した場合、波長λの光が角度β で回折します。ここで、角度α,β
は回折格子の法線からの角度で、反時計回りを正とします。するとグレーティング方程式(2)式は次のようになります。
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(8) |
ここで溝の斜面に対して、入射光とm 次の回折光が鏡面反射の関係にあるとき、m 次の回折光にエネルギーの大部分が集中します。このときの溝の傾きをブレーズ角と呼び、θB
で表わすと、
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(9) |
となります。またこのときの波長をブレーズ波長といい、λB
と表わします。ここで、λB は(9)式を(8)式に代入すると、
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(10) |
となります。この式から、ブレーズ波長はブレーズ角θB と入射角αによって(使用方法によって)変化することがわかります。一般には回折格子のブレーズ特性を一義的に表わすのに、図6
のように入射光の方向に+ 1 次の回折光が戻るときの波長(λB(Litt))で表わします。このとき、α=β
となるので(8)式より
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(11) |
となります。このときの配置をリトロー配置と呼びます。当社のカタログでは、平面回折格子のブレーズ波長は、このリトロー配置でのブレーズ波長を記載しています。
したがって、リトロー配置以外で使用する場合でのブレーズ波長λB と、カタログ記載のブレーズ波長λB(Litt)との間には次の関係式が成り立ちます。
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(12) |
この式より、リトロー配置以外で使用する場合は、λB(Litt)より短くなることがわかります。
入射角αのとき、λB(Litt)とλBとの関係は、
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(13) |
となります。
たとえば、溝本数N = 600本/mm、入射角α= 60 °で300nm の+ 1 次光を効率よく取り出したい場合、(13)式にλB
= 300nmを代入すると、ブレーズ波長λB(Litt)=
484nmとなります。したがって、カタログからλB(Litt)=
500nmの回折格子を選んでください。
一方、凹面回折格子の場合は、使用する分光系の配置(マウント)でのブレーズ波長を記載しています。
回折格子に表示された矢印の向きは、ブレーズ方向を表わし、溝断面形状とは図6の関係になります。 |
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