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2021年11月2日 | プレスリリース 分析の熟練者でなくても最適な分析法の開発が可能に
高速液体クロマトグラフ用分析法開発支援ソフトウェア
「LabSolutions MD」を発売

島津製作所は、11月2日に高速液体クロマトグラフ(HPLC)用分析法開発支援ソフトウェア「LabSolutions MD」を発売いたします。

医薬品には厳しい品質管理が求められており、そのための分析では主にHPLCが用いられます。医薬品の安全性向上につながる正確で信頼性の高い分析条件は、医薬品メーカーにおいて開発されていますが、「様々な分析条件を試す必要があり時間がかかる」「分析条件の開発ノウハウが属人的になり開発過程での判断が経験に依存してしまう」といった課題がありました。

こうした課題に対し、医薬品規制調和国際会議(ICH)は、開発の経緯や根拠を明確にして分析法を評価・検証する手法「Analytical Quality by Design」 (以下AQbD)を提唱しています。AQbDに基づいた分析法開発では、科学的な根拠とリスクをベースとしたアプローチが重視されます。経験と勘に頼らない網羅的な分析条件の検討により、信頼性が高く、低リスクの分析法が開発可能となると考えられています。しかしながら、統計学などの専門知識が必要であり、評価結果を作成するための負担が増えるという課題がありました。

「LabSolutions MD」では、AQbDに基づき、実験計画法*1によるデータ収集からデザインスペース*2による視覚化までの一連の分析法開発フローを効率化し、熟練者でなくても最適な分析法の開発を可能にします。また「LabSolutions MD」は、当社分析データシステム「LabSolutions」のオプションソフトウェアであり、シームレスに連携可能です。関連する分析結果やレポートを「LabSolutions」のデータベースで一元管理することで、データの信頼性も担保します。

島津製作所は今後も「LabSolutions」ブランドのソフトウェア製品・サービスを通して、分析データの信頼性、医薬品の安全性確保に貢献してまいります。

*1 実験計画法:効率よく条件探索を行うための統計学上の手法
*2 デザインスペース:分析条件と分析結果の関連性を視覚化して最も低リスクの分析条件を確認する手法

新製品の特長

1. 実験計画法による条件探索の効率化

従来は、最適な分析条件探索のために膨大な分析が必要でした。本ソフトウェアでは、実験計画法を活用したデータ収集により、効率的な条件探索が可能です。条件探索のための試行回数を約70%削減できます。

2. 最適な分析条件の視覚化

デザインスペースと呼ばれる手法を用いて分析条件と分析結果の関連性を視覚化します。分析条件が変化しても分析結果に影響を与えない領域を視覚化することで、最も信頼性が高く低リスクの分析条件を、容易に判断できます。指定条件での分析結果シミュレーションも可能です。

3. 分析法開発過程をデータベースで一括管理

収集されたデータやデザインスペースによる解析結果などは、まとめてレポートとして出力できます。また、一連のファイルは全て分析データシステム「LabSolutions」のデータベース上で一括管理できますのでデータの完全性(データインテグリティ)が担保されます。

 

「LabSolutions MD」画面イメージ

「LabSolutions MD」画面イメージ

製品名 分析法開発支援ソフトウェア 「LabSolutions MD」
目標販売数量 発売後1年間で国内外合わせて50台
希望販売価格(税別) 120万円(シングルライセンス)~

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