プレスリリース

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2009/08/28
酸素の消費状況をリアルタイムで「見える化」
世界初の燃料電池酸素濃度可視化装置を発売
−燃料電池の高性能化など研究開発を支援−
燃料電池酸素濃度可視化装置 FC-O2モニタ
燃料電池酸素濃度可視化装置 FC-O2モニタ
(左)制御部 (右)本体部

島津製作所は燃料電池内の酸素濃度の分布を光学的に計測し、リアルタイムで可視化する世界初の装置「燃料電池酸素濃度可視化装置 FC-O2(オーツー)モニタ」を開発し、燃料電池の研究開発、製造部門等を対象として9月1日より発売を開始します。なお、本製品は9月2日から千葉・幕張メッセで開催される「2009分析展」にパネル出展いたします。

燃料電池は水の電気分解の逆反応を利用して発電を行っており、水素を負極側、酸素(空気)を正極側に供給し、水素イオンが電解質中を通って正極側で酸素と反応して水になることにより発電する仕組みです。本装置は、新たに開発した酸素濃度試薬と高速データ処理機能により、燃料電池の正極で酸素がどのように消費されているかをリアルタイムで把握できるようにしたものです。酸素の利用状況から反応がスムーズに行われているかを確認し、燃料電池の問題点や性能向上の手がかりを探ったり、構造や材質、発電条件等の最適化を図ったりするなど燃料電池の研究開発に活用されることが期待されます。
* 本製品は、山梨大学をプロジェクトリーダーとした2大学4企業(山梨大学、早稲田大学、島津製作所、富士電機アドバンストテクノロジー、日立製作所、東京エレクトロン)が参加した平成17〜19年度NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術開発プロジェクト『固体高分子形燃料電池内の物質・反応分布の分析・可視化システム開発とMEA・セル設計への応用』の研究成果をもとに、当社が実用化装置として開発してきたものです。
【本製品の特長】
本製品は半導体レーザー、高感度CCDカメラなどの光学系からなる本体部と、制御回路と安全機構を搭載した制御部で構成され、PCによってデータ処理を行うシステムです。

新規開発した酸素濃度試薬にレーザー光を照射すると、試薬はレーザー光を吸収して特定の波長の蛍光を発し、酸素濃度によってその蛍光強度が変化します。燃料電池の正極側を透明物質にした可視化セルのガス流路にあらかじめこの試薬を塗布しておき、レーザー光を照射して、燃料電池内で酸素が消費される様子を「見える化」する仕組みです。静止画像だけでなく、最大1秒間に30コマの動画像データを取得することが可能で、酸素の利用状況の経時変動を確認することができます。
酸素濃度可視化例(データ提供:国立大学法人山梨大学)
画像: 酸素濃度可視化例 (データ提供:国立大学法人山梨大学)
左上から入った酸素がセル内で消費されていく様子が分かる

燃料電池の本格的な普及には、構造や電解質、触媒などの条件の変化が発電状況に与える影響を把握するための検証が不可欠です。本装置により、条件変化と燃料電池内部における酸素の消費状況の関係がリアルタイムで直接確認できるため、シミュレーション精度の向上が期待でき、研究開発期間の短縮を図ることができます。また本装置は応答速度が速く、分布の急速な変化も計測できるため、自動車用燃料電池のようにアクセルのオン・オフによる急激な燃料電池の負荷変動の特性も把握できるのが特長です。

燃料電池関連市場は今後5〜6年間に基礎研究から実用化開発へと急速に進行することが予想されており、こうした非接触の酸素濃度可視化技術が利用される潜在的な市場規模は、国内において研究用途で数億円、製造・検査用途ではその数倍から十倍程度と見込まれています。本製品は燃料電池の研究開発部門において、より高性能で耐久性の高い燃料電池の開発に役立てられると共に、非接触で高感度な酸素検出手段であることを利用して、生産ラインにおける品質管理にも用いられることが考えられます。また今後は、酸素だけでなく、他のパラメータも同様に可視化できる装置の開発を進め、燃料電池の研究開発を支援します。


【新製品の概要】
名   称 燃料電池酸素濃度可視化装置 FC-O2モニタ
装置寸法 本体部 幅400×奥行700×高さ300 mm
制御部 幅520×奥行600×高さ450 mm
価   格 2,000万円(税別 :PC、専用ソフトウェア、試薬1セット含む)
販売計画 2010年度 10台

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