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2022年10月27日 | お知らせ 「高速度ビデオカメラの開発」が第47回「井上春成賞」を受賞

島津製作所は、東北大学未来科学技術共同研究センター 須川成利教授とともに、「高速度ビデオカメラの開発」において第47回井上春成賞を受賞しました。「井上春成賞」は、大学や研究機関等の独創的な研究成果をもとにして企業が開発し製品化した、我が国の優れた技術について研究者及び企業に対して贈られる賞です。本日10月27日に国立研究開発法人科学技術振興機構 東京本部別館にて贈呈式が行われました。

「高速度ビデオカメラの開発」では、須川成利教授が長年培ってきた高性能CMOSイメージセンサ技術と、島津製作所が有する高速度ビデオカメラ技術を融合させて、世界で初めて1,000万コマ/秒の高速撮影を、高解像度、多記録枚数かつ室温動作で実現した高速CMOSイメージセンサ「FTCMOS」を開発しました。2012年には最初の製品となる高速度ビデオカメラ「Hyper Vision HPV-X」を発表し、さらに、2015年には光感度を大幅に高め消費電力も低減した「FTCMOS2」を搭載した「Hyper Vision HPV-X2」を製品化しました。

材料科学や、燃焼、爆発、マイクロマシン技術、宇宙開発の分野においては、新規材料や、衝撃波、プラズマ、放電などに伴う物理現象を解明するために、超高速の撮影装置が必要とされています。また、医療分野や産業分野でも、マイクロバブル、インクジェット、燃料噴霧など、微小な領域で起こる超高速現象を拡大して観察したいという需要は高まっています。東北大学と島津製作所が開発した高速度ビデオカメラは、これらの分野の研究開発現場で、今までに見ることのできなかった様々な超高速現象を可視化し、基礎研究や先端技術の開発に大きく貢献しています。

島津製作所は今後も、可視化技術の事業化・製品化を進め、幅広い分野の研究開発を支援してまいります。また、産学官連携による研究開発を加速させ、先端技術の実用化と社会実装に向けた活動に力を入れて取り組んでいきます。

 

受賞盾を持つ当社代表取締役社長 山本靖則(前列左)と東北大学未来科学技術共同研究センター 須川成利教授(前列中央)

受賞盾を持つ当社代表取締役社長 山本靖則(前列左)と
東北大学未来科学技術共同研究センター 須川成利教授(前列中央)

 

東北大学と開発した高速度ビデオカメラ「Hyper Vision HPV-X2」