ニュース

報道関係の皆様からのお問い合わせはこちら

掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。

2025年12月15日 | プレスリリース 海洋構造物などの腐食を非接触で検知するUEP測定器
水中ロボット搭載用の「CF100」、潜水士用の「CF110」を発売

島津製作所は、12月15日に海洋構造物の腐食などで発生する水中電界(Underwater Electric Potential、UEP)について、構造物に触れずに高感度で測るUEP測定器「CF100」「CF110」を発売しました。水中電界とは水の中に生じる電気の力(電場)のことです。腐食に起因する水中電界の測定により、構造物の腐食モニタリングや腐食部位の特定が可能です。「CF100」は自律型無人潜水機(Autonomous Underwater Vehicle=AUV)や遠隔操作型無人潜水機(Remotely Operated Vehicle=ROV、水中ドローン)などの水中ロボットへの組み込みを想定して制御器を基板型に、「CF110」は潜水士による携帯や実験施設での使用を念頭に制御器を卓上型にしています。

UEP測定器は構造物に生物が付着した状態でも、非接触による水中電界を測定できます。島津製作所はデュアルユース(軍民両用)の技術として水中ロボットメーカー、エンジニアリング会社、資源探査会社、防衛省などに特別仕様機を提供していましたが、このたび正式に量産機を発売することになりました。当社は2020年から大容量データの高速通信と低消費電力を両立する、水中光無線通信装置「MC」シリーズも販売しており、海をフィールドとする企業や研究機関による「海洋開発のDX(デジタルトランスフォーメーション)」に貢献していきます。

 

製品写真:UEP測定器「CF100」

製品写真:UEP測定器「CF100」

製品写真:UEP測定器「CF110」

製品写真:UEP測定器「CF110」

製品写真:水中ドローンに搭載したUEP測定器「CF100」(赤枠内)

製品写真:水中ドローンに搭載した
UEP測定器「CF100」(赤枠内)

新製品の特長

1. 微小な電界の変化を見逃さない

世界最高級の高分解能(10µVp-p)で、潮流が激しい海域や、構造物に生物が付着した状態でも、非接触で微小な電界をリアルタイムで測定します。測定データは専用ソフトウエアで保存・ファイル作成などを行えます。

  • ※ Vp-p(Volt peak-to-peak、ピーク・ツー・ピーク電圧)は、正弦波の最大値(ピーク)と最小値の差を表しています

2. 水深3000メートルでも使用可

UEP測定器を構成するセンサ部分、ケーブルは水深3000メートルまで使用可能です。センサは小型・軽量であるため持ち運びが容易です。

3. 用途に応じた2種類を同時発売

「水中ロボットへの搭載」「潜水士による使用」いずれにも対応すべく2種類のUEP測定器を同時に発売しました。測定精度や耐水圧、動作温度などの基本仕様は共通です。

製品名 UEP測定器「CF100」「CF110」
販売目標 発売後1年間10台(国内外で両機種合計)
希望販売価格 UEP測定器 327万円~(税込み)

詳しい製品説明についてはこちら