ニュース

報道関係の皆様からのお問い合わせはこちら

掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。

2025年9月18日 | プレスリリース 複合劣化促進ユニット「CDAS-1000」を発売
GC-MSやFTIRでの材料の耐候性評価を効率化する世界初の前処理装置

製品写真:複合劣化促進ユニット「CDAS-1000」

製品写真:複合劣化促進ユニット「CDAS-1000」

島津製作所は、材料の耐久性・寿命の予測を支援する複合劣化促進ユニット「CDAS-1000」を9月18日に発売します。本製品は当社製のガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)やフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)などと併せて材料の劣化評価に用いる世界初の前処理装置です。劣化過程で発生するガスの成分や材料の表面状況をGC-MSやFTIRで調べて、劣化の指標となる成分を検出したり、劣化の仕組みの解明に有用な情報を獲得したりできるので、プラスチックなど新素材の研究開発を効率化します。当社は「CDAS-1000」を、樹脂系の新素材を開発するメーカーや研究機関などに販売していきます。

材料の耐久性・寿命の調査方法には「屋外暴露試験」や「促進耐候性試験」があります。前者はサンプルを日光にさらして年単位の期間をかけて経年劣化を追います。後者は特殊な大型装置でサンプルを加速劣化して数カ月かけて調べます。「CDAS-1000」を用いる場合、装置内部の容器に密封したサンプルに光源(ランプ)で照射しながら劣化を促進して、GC-MSで発生するガスを、FTIRで劣化するサンプルの表面を評価します。本製品は強い紫外線を発する「UVランプ搭載」、太陽光の波長全域を再現する「キセノン(紫外可視光線)ランプ搭載」の2機種からお選びいただけます。当社は複数の材料について「数時間~2日程度のランプ光の照射によってどのような成分が劣化の指標として発生するか」を確認しています。「CDAS-1000」と促進耐候性試験の試験結果の相関性についても検証していきます。

島津製作所は材料の研究開発向けにマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOFMS)や走査型プローブ顕微鏡(SPM)、熱重量-示差熱同時測定装置(TG-DTA)、各種試験機など多様な分析計測機器を有しています。 島津製作所は複合劣化促進解析ユニット「CDAS-1000」を発売するとともに、受託分析を手掛けるグループ会社である島津テクノリサーチを通じて、本製品を含む様々な装置群による材料試験を高度化・効率化していきます。

新製品の特長

1. GC-MSやFTIRなどで劣化試験を効率化

劣化試験で発生した成分や試験された材料を、各種分析装置で調べることで、「劣化指標となる成分の発生」や「材料の分子構造の変化」といった劣化の兆候を高感度に検出できます。数時間から約2日の試験でも材料ごとの劣化具合の比較が可能です。材料候補の迅速なスクリーニング(選抜)によって、材料開発を効率化できます。

2. 密閉容器内で材料に光、温度、湿度の負荷をテスト

密閉容器(石英ガラス製ヘッドスペースバイアル)に封入した材料に、光を照射して、加温、飽和湿度の負荷を与えられます。劣化試験で発生したガスはヘッドスペースバイアルに捕集されているため、そのままGCMSで分析できます。

3. コンパクトな卓上型

装置の大きさは幅 420 mm × 高さ 655 mm × 奥行 634 mm と小型で通常の実験室の作業台に設置できます。

製品写真:前扉を開けてサンプルをセットしている様子

製品写真:前扉を開けてサンプルをセットしている様子

製品名 複合劣化促進ユニット「CDAS-1000」
希望販売価格 1,100万円 (税込み)
目標販売台数 1年間で20台

詳しい製品説明についてはこちら