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2024年4月9日 | プレスリリース 簡単メンテナンスで装置の稼働率を最大化、バイオ医薬品などの研究や品質管理の生産性向上
質量分析計「MALDI-8020 EasyCare」「MALDI-8030 EasyCare」を発売

質量分析計「MALDI-8030 EasyCare」

質量分析計「MALDI-8030 EasyCare」

島津製作所は4月9日に質量分析計「MALDI-8020 EasyCare」「MALDI-8030 EasyCare」を発売します。本製品は、業界最高クラスの性能を持つ卓上型の「MALDI-8020」「MALDI-8030」に、同サイズとして初めてユーザーがメンテナンスできる新設計のイオン化部を搭載したMALDI-TOF MS※1です。従来は専門技術者が行っていたメンテナンス作業を経験の少ないユーザーも簡単に実行できるようになったことで、ランニングコストと装置のダウンタイムを削減してラボの生産性向上に貢献します。

MALDI-TOF MSは、広い測定範囲と高い分解能を両立する質量分析計です。核酸やたんぱくなど高分子化合物の測定に強みがあり、その活用領域は製薬、化学分野を中心に拡大しています。測定時にレーザーを照射された試料は装置内部で飛散して汚れの原因となります。長期にわたり蓄積すると装置の性能に影響を及ぼすため、定期的なイオン光学系※2の洗浄と装置設定の再調節が必要です。この作業は専門技術者が実行する必要があり、メンテナンスのコストと専門技術者の到着まで装置の復旧に時間を要することが課題でした。

「MALDI-8020 EasyCare」「MALDI-8030 EasyCare」は、実験机に設置できる卓上型として業界で初めてユーザーによるメンテナンスが可能となりました。専門技術者でなくともイオン光学系を取り出せる設計とソフトウェア上の作業手順ガイドによって、ユーザーが簡単にメンテナンスできます。装置の再調節は新たに搭載したオートチューニング機能により自動で実行されるため、簡便に最適な装置状態を保つことができます。島津製作所は今後も装置やワークフローの提供を通じて、医薬や臨床、化学など幅広い分野の研究開発に貢献します。

新製品の特長

1. セルフメンテナンス機能でコストと装置のダウンタイムを削減

新設計のイオン化部によって、ユーザーによるイオン光学系の洗浄メンテナンスが可能となりました。すべての手順はソフトウェア上で画像を示しながらガイドされるため、経験の少ないユーザーも簡単に実行できます。長寿命の固体レーザーや検出器の搭載によって装置の維持に要するコストを削減します。

イオン光学系を取り出すメンテナンス作業の様子

イオン光学系を取り出すメンテナンス作業の様子

2. 最適な装置状態を保つオートチューニング機能

オートチューニング機能は、ユーザーが複雑な操作を行うことなく装置各部の設定値を自動で最適な値に設定します。常に最適な装置状態が保たれることで、質の高いデータの提供が可能となります。

3. コンパクトなサイズと高い装置性能で多様なニーズに対応

実験机に設置できる卓上型のMALDI-TOF MSとして業界最高クラスの高い分解能と感度を有します。ポジティブモード測定専用の「MALDI-8020 EasyCare」とポジティブ/ネガティブモード測定に対応する「MALDI-8030 EasyCare」の2機種で多様なニーズに対応します。

  • ※1 マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)と飛行時間型質量分析計(TOF MS)を組み合わせた装置。MALDIは、当社エグゼクティブ・リサーチ フェローである田中耕一がノーベル化学賞を受賞する理由となった技術
  • ※2 イオンを加速する電極および加速されたイオンビームを収束するイオンレンズで構成されるユニット
希望販売価格 「MALDI-8020 EasyCare」2,900万円~(税別)
「MALDI-8030 EasyCare」3,400万円~(税別)
販売目標 発売後1年間で国内外合わせて30台

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